《シャルドネの醸造法》
シャルドネは高価なものになるほど樽熟成してつくられることが非常に多い品種です。「ニュートラル」と言われるように、品種由来の香りがそれほど強くなく、樽香との相性がいいのが大きな理由です。
また樽熟成はステンレスタンク熟成に比べてコストがかかるため、「樽シャルドネの方が上級品」と捉えられがち。
「違う。樽熟成の有無で品質に優劣はない。ただ風味のタイプが違うだけだ」
固定概念への挑戦としてつくられたのが、この「サン・シェーヌ」です。
《このワインについて》
このワインの発酵・熟成は、6割をステンレスタンク、残り4割を卵型のコンクリートタンクで行います。最近流行のこの卵型タンクで発酵を行うと、発酵で生じたガスによりタンク内の液体が自然と循環します。それにより白ワインの場合は澱(おり)との接触が増えて、シュール・リーの効果が増します。
このワインはリンゴや柑橘などのピュアな香りを持ち、酸味もスッキリ高めです。しかしバランス感が素晴らしいのは、適度なコクと旨味のようなものがあるから。その要因がタンクによってより効果を増したシュール・リーなのでしょう。
《生産者について》
南アフリカの冷涼産地で、シャルドネとピノ・ノワールの名手として人気の高いクルーガー。当主のヨハン・クルーガー氏は、ステレンボッシュの「ステルハイス・ファーム」の家に生まれながら、結婚を機にこの『クルーガー・ファミリー・ワインズ』を設立して独立しました。ステレンボッシュのジョーダン・ワインズやカリフォルニア、ブルゴーニュで醸造を学んだ経験を活かし、西ケープ州各地の畑からワインをつくります。
Sans Chene Chardonnay Kruger Family Wines