《生産者について》
当主のローラント・フェリッヒ氏は、フェリッヒ醸造所の跡取りとして生まれました。
フェリッヒでは樽熟成したシャルドネや貴腐ワインなどが主力。しかしローラント氏はブルゴーニュやローヌを渡り歩くうちに、もっと食事に寄り添うこの土地ならではのワインがつくりたいと2001年に独立します。
《モリッツの特徴》
モリッツの特徴のひとつは、ブルゴーニュの特級畑並みの低収量。ブドウの樹につく房を少なくして、栄養を凝縮させます。しかしそれは濃いワインをつくるためではありません。抽出を無駄に強くせず、酸とのバランスを重視します。
オーストリアで最も暖かいブルゲンラントにおいて、ブラウフレンキッシュは高アルコールのフルボディなワインに仕上げられることも多くあります。その流れに反して、エレガンスを重視したワインに仕上げるのがモリッツの哲学です。
彼のこの自然体なワインに、いまたくさんの人が虜にされています。
《このワインについて》
モリッツのワインにおいてミドルレンジにあたる「リゼルヴ」。
このワインの魅力を輸入元の営業さんは「色気」だと語ります。確かにこのワインの香りには、ついグラスに鼻を近づけたくなるような、引き込まれる魅力があります。
最も大きな違いは、スタンダードよりも3年ヴィンテージが進んでいることでしょう。森や土のニュアンスが濃くなり、香りに奥行きを感じます。酸味と果実味のバランス感はそれほど違いはないのですが、より口当たりはしなやかに、ベルヴェットのように感じます。
上品なワインとしてはやはりピノ・ノワールが好敵手ですが、厚みのあるしなやかさはモリッツのブラウフレンキッシュならではでないでしょうか。
Moric Reserve Blaufrenkisch