《比べて価値のある2本》
安心院ワインは日本の中でもアルバリーニョの生産が特に多いワイナリーの一つ。3つの自社畑どれもに植えており、それぞれ単一畑のワインをつくります。
畑が違うとはいっても、ワインの味わいにさしたる差がなければつまらない。その点この「下毛圃場」と「矢津圃場」との間には、非常にわかりやすい違いがあります。
一番の違いは標高。矢津圃場の方が200mほど標高が高いのです。
その違いは酸味となって現れます。「下毛」が暖かい産地らしいふっくらやさしい果実味なのに対し、「矢津」の方は果実味も細くスマートな酸味を持ちます。共通するのは白桃や柑橘のようなピュアなフルーツ感。本家であるリアス・バイシャスのようなミネラル感はありませんが、どちらもアルバリーニョらしい風味。味わいのバランスにきっちりテロワールが現われています。
1本でももちろんよく出来たワインです。その上で2本比べてこそ価値を感じるのは間違いないでしょう。
《生産者について》
日本でワインづくりが難しい理由の一つは雨の多さです。ブドウの生育期である春から秋にかけて継続的に雨が降ります。収穫期に到来しがちな台風も問題です。水分を多く含む土壌故にブドウの粒が大きくなり、風味の凝縮感が下がってしまうのです。
安心院葡萄酒工房があるのは大分県北部にある宇佐市。そこは瀬戸内気候のために雨が少なく、他の作物に向かないほど乾燥した地域だそうです。その特殊な気候が、九州とは思えないしっかり風味の詰まったブドウを生みます。さらに棚仕立ての樹を覆うビニールシートの雨よけをつくるなど、品質向上のために様々な研究を重ねてきました。
1964年から国営の農地開発事業が始まり、安心院町のブドウが収穫できるようになった1971年に「アジムワイン」が誕生しました。かつては外国産原料も用いてワインをつくっていましたが、2006年には安心院町内のブドウのみに変更。大分県を代表するワイナリーとなりました。
Ajimu Wine Alvarino Simoge