《テイスティングノート》
開けたてから熟成ゆえの複雑な香りが立ち昇ります。プラムやスミレ、ドライフラワーのようなアロマに、キノコや土のような複雑な風味。この生産者のワインは若くてもそれほどタンニンは強くありませんが、熟成によってさらになめらかになっています。口当たりはやや軽めでエレガントな酸味とともにキレイに消えていきます。余韻の盛り上がりは物足りないかもしれませんが、「バルバレスコ・リゼルヴァ」として最低クラスの価格であることを考えれば十分満足できるものです。
《生産者について》
テッレ・デル・バローロはこの地域で最大規模の生産者組合。60年以上の歴史があり、契約農家は400軒、約650haもの広大な畑がこの組合に属します。
様々な地域から大量のブドウが持ち込まれ、それを捌いていくつもの素晴らしいワインへと導くのは、醸造家であるダニエーレ・ポンツォ氏。
テッレ・デル・バローロの味わいはややクラシックな傾向にあるものの、彼は決してモダンな技術を否定するわけではなく、品質を向上するために柔軟に取り入れています。
その一環が樽の研究。様々な樽が自分のワインに及ぼす影響を調べる研究室をもっています。曰く「樽の使いは画家が色を選ぶようなもの」。
ワインの味わいの傾向は、バローロもバルバレスコも比較的親しみやすいもの。豊富なタンニンが特徴のネッビオーロという品種にあって、リリースしたてから楽しみやすい味わいに仕上げます。この生産規模ゆえに、どんどんワインを消費してもらいたいという想いもあるのでしょう。そしてその値段は間違いなく業界のプライスリーダーです。
Barbaresco Riserva Terre del Barolo