《生産者について》
ベルンハルト・コッホはファルツに拠点を置く家族経営のワイナリーで、近年「ヴィヌム」や「ゴーミヨ」などの評価本で高評価を得るようになった大注目の生産者です。そんなコッホの醸造を務めるのはなんと兵庫出身の日本人女性である坂田千恵さん。「ブルゴーニュのピノが好きで、それに近づけたい」と語る彼女の活躍で、醸造所のあるファルツ地方でも特にシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)の評価はトップクラスです。
《5000円ピノ・ノワールの比較》
ピノ・ノワールの名産地はいろいろあります。ブルゴーニュ、オレゴン州、カリフォルニア州のソノマやサンタ・バーバラ、ニュージーランドのセントラル・オタゴ・・・。そういったところはベース価格が高い。このワインと同価格帯ではベーシッククラスです。著名でない生産者の「ブルゴーニュ・ルージュ」では、それほど複雑な風味は期待できません。カリフォルニア産は風味は豪華になりがちですが、アルコール度数が高め。
それに対してこのピノ・ノワールは、この価格で中~上級ワインです。いい畑のいいブドウだけでつくり、しっかり手間をかけて醸造します。それゆえの風味の豪華さ。加えてドイツの中ではアルコール度数高めとはいえ、気候からくる軽やかで上品な口当たりが楽しめます。
《テイスティングノート》
熟したチェリーのようなアロマにトーストやシナモン、森の土のような複雑な香り。口当たりは非常に繊細かつ緻密で、余韻の伸びはこの生産者の3000円クラスとはやはり違います。この価格帯のピノ・ノワールに求めていたものを思い出すかのような1本です。
Kirchenstuck Pinot Noir Bernhard Koch