《斜面の上下でこれほど違う!》
モーゼル川中流域、ベルンカステル地区にツェルティンゲンの村はあります。
その中でも著名な畑が、斜面下部にあるこの「ゾンネンウーア」と、斜面上部に隣接する「シュロスベルク」です。どちらも南南西向きの急斜面で日当たりが良く、ブドウがよく熟します。2025年9月現在、どちらも2012年のシュペトレーゼがご用意できるので、飲み比べればその違いを顕著に感じることができます。
2つの違いは暖かさ。モーゼルでは基本的に斜面下部、川のすぐそばの畑がより温暖でブドウがよく熟します。太陽光が川面に照り返す効果もあるからでしょう。それが2つの風味の違いに表れています。
2つを比べると、「シュロスベルク」の方が細く長いワイン。香りの凝縮感はほどほどながら、余韻がしっかりと続きます。比べると冷涼だからか、しっかりとした酸味が味わいの骨格をかたちづくっています。
ゾンネンウーアの方が陽性の明るい雰囲気。飲みこんだ後にもふわっとフルーツ感が広がります。
更に同じヴィンテージ、同じゾンネンウーアのアウスレーゼ*とも比較できます。「*」は生産者の中で上級の意味。シュペトレーゼに比べると甘味が強いだけでなく、風味の凝縮感がずっと高い。ハチミツのような風味も感じ、味わいに厚みがあります。
同じヴィンテージ、しかも熟成したもので、畑違い・クラス違いを比較できる機会はなかなかありません。これだけで面白いワイン会が企画できそうです。
《生産者について》
1600年よりワイン造りを続けているモーゼルの名門。それがゼルバッハ家です。
単に伝統を踏襲するだけではありません。現オーナーのヨハネス氏は、モーゼルで醸造の基礎を学んだうえでアメリカでビジネスコンサルタントの経験も積んでから、この地に帰ってきました。そうして国際的な視点を養うことで、より一層ベルンカステル地区の魅力を明らかにしているのです。
Zeltinger Sonnenuhr Riesling Spatlese * Selbach Oster