《生産者について》
フリードリッヒ・ベッカー醸造所は、南ファルツのアルザス国境近く、シュヴァイゲン村にあるワイナリー。当主は代々「フリードリッヒ・ヴィルヘルム・ベッカー」の名前を受け継ぐので呼び方がややこしいのですが、現当主である愛称フリッツ氏のお父さん、ベッカー・シニアの代に設立されました。シニアは高品質なワインをつくるべく、協同組合に所属していた実家から独立してのゼロスタートでした。そのため当初は資金繰りにたいへん苦しんだといいます。
《このワインについて》
ポルトギーザーというブドウ品種は、ドイツの中では安ブドウ。畑の面積当たりの収穫量を増やしやすく、タンニンの穏やかな早飲みできるワインになるため、低価格な日常消費用ワインとして流通しています。
シニアがつくりたかったのは高品質なピノ・ノワールですが、それが世界に認められるまで、このポルトギーザーやジルヴァーナーに助けられたといいます。つくってすぐリリースできて、地元の人たちがガブガブ日常的に飲んでくれるからです。その感謝の気持ちを込めてたっぷり飲んで欲しいとの1000mlボトルだといいます。
《テイスティングノート》
ピノ・ノワールと比べるとやや彩度の低い淡い赤色。どこか素朴な落ち着いた香りで、明確なフルーツとしては感じにくいです。ピノ・ノワールのように軽やかな口当たりですが、酸味や渋味はおだやか。「邪魔をしない」という意味で、食中酒にピッタリ。ガブガブ飲んじゃってください。
Becker Portugieser