《サンセール・ブランについて》
ソーヴィニヨン・ブランの銘醸地といえばボルドー、ニュージーランドのマールボロ、そしてロワール。そのロワールの中でも特に品質が高いのが、サンセールとプイィ・フュメの2地区で、「トゥーレーヌ」などに比べると平均価格が高めです。
この品種らしいドライでキレのいい酸味。マールボロのようなトロピカルフルーツや青草のようなアロマはなく、もっと優しく繊細なかんきつ系フルーツが香ります。ハチミツのような甘い香りを持つものが多いですが、それはお隣プイィ・フュメほどハッキリはしていません。石灰質土壌に由来するのだろうと思われるスモーキーさがあります。
サンセールやプイィ・フュメのワインは、おおよそ4000円前後からのスタートというのが相場。それを考えるとサンセールの特徴を教科書的に表現しながら3000円台半ばに抑えられているのは、ちょっとだけお買い得な銘柄といえるでしょう。
《生産者について》
サンセールから4kmほど離れたシュリー・アン・ヴォーという村にミッシェル・トマの本拠地があります。代々この地では「クロタン」と呼ばれるシェーブルチーズをつくってきたそうです。トマ家は以前はそのチーズを中心にした総合農家でしたが、ミッシェルの代になってワインづくりに専念しました。
テール・ブランシュ(粘土石灰)、カイヨット(玉石)、シレックス(ケイ質)。サンセールの土壌として重要な3つの土壌の畑を持っていることが、スタンダードのこのワインに「サンセールらしい味」を表現できる所以です。
《テイスティングノート》
非常にピュアでほのかに甘いフルーツの香りが漂います。キウイやレモン、温州ミカンなどの柑橘系フルーツ。口に含めば瑞々しい果実味とフレッシュ爽快な酸味が広がり、余韻にかけてしっかりと舌を覆います。
Sancerre Domaine Michel Thomas