《ブルドー・ブランのスタイルについて》
このワインはセミヨンにソーヴィニヨン・ブランをブレンドした、いわばボルドー・ブランのスタイル。ボルドーでは樽熟成されることが多いですが、このワインはステンレスタンク熟成。その代わりにシュール・リー(澱と熟成させる)によりほどよい口当たりの厚みを備えています。
別段珍しいタイプのワインではありません。だから「ボルドーに似た気候って言われるし、一応つくっとこう」なんて軽い気持ちではつくり続けていないはず。
世界に数えきれないほどにワインがあるのに、ボルドー・ブランのスタイルが飲み続けられている理由。アルクーミは主に単一品種でワインをつくっているのに、手ごろなレンジでブレンドワインをつくり続けている理由。
きっと飲み飽きない味わいであると推測します。
《生産者について》
アルクーミは西オーストラリア州で1971年に創業した生産者。フランスのボルドーに気候が似ているといわれる地域で、オーストラリアの中では冷しい地域です。
ワインをリリースし始めてすぐに、上品で優れた赤ワインの生産者として評価を受けます。次第にブドウ品種の種類も増やしていき、今では家族経営の生産者として同地域で最大規模のひとつ。年間9万ケースを生産するまでになりました。
《テイスティングノート》
新鮮で少し苦みのある柑橘類を思わせる爽やかなアロマ。芝生のような青い香りもニュアンス程度に感じます。パッションフルーツのようなみずみずしい果実味は、ボルドーの白ワインよりももっと明るい印象を与えてくれます。
ただし香りの個性にせよ凝縮感にせよ酸の高さにせよ、決して突出したものはありません。それでいながら高いレベルでまとまっていて、味わいはクリア。だから飲み飽きないのです。
一つのワインをずっと飲み続けるタイプの方はお試しあれ。長くあなたのお気に入りになるかもしれません。
Alkoomi Grazing Collection Semillon Sauvignon Blanc