ナパ・ヴァレー産のカベルネ・ソーヴィニヨンのワインについて、どんなイメージを持っておられるでしょうか。
ベリー系の凝縮した甘味をともなうような果実味にバニラやココナッツの樽香。口当たりに厚みがあり、酸味は低くガツンと力強く味わいが広がる。余韻にコーヒーのような香ばしさ。
こんな感じが典型じゃないでしょうか。5000円-10000円くらいのワインについては。
こういったワインが大好きな方も多くよく売れています。一方で苦手だという人も一定数います。嗜好品なんだから当たり前です。
苦手な方はこの果実味の強さ、甘やかさが特に苦手なのでしょう。自分には濃すぎる、重たすぎる、甘すぎると。
そのナパ・カベのイメージ、高額のものになると不思議と当てはまりません。酸がハッキリ感じられ押し出しが強くなく、それでいてスケール感と奥行きのある味わいになるのです。ガラッと雰囲気の変わるそのポイントが、私はスタッグリンくらいの価格帯だと感じています。
《生産者について》
スタッグリン・ファミリー・ヴィンヤードは1985年にガレン・スタッグリン氏がラザフォードベンチに設立。ミシェル・ロラン氏をコンサルタントに招聘し、デイヴィッド・エイブリュー氏を栽培責任者に採用しています。
《このワインについて》
スタッグリンのフラッグシップワイン。黒い果実の風味が幾重にも重なりますがあくまで控えめ。ムースのように優しい口当たりで、凝縮した味わいはゆっくりと口いっぱいに広がります。緻密なタンニンは最初柔らかいように感じますが、しっかりボリュームがあります。「ラザフォード・ダスト」と呼ばれるミネラル感もしっかり感じる、上品で洗練されたワインです。
Staglin Cabernet Sauvignon