ホワイトハウス御用達!
大統領の晩餐会で幾度となく使用される、アメリカNo.1スパークリングワイン。
その地位を築くに至ったの裏には、常にアメリカをリードするパイオニア精神がありました。
シュラムスバーグが高級スパークリングワインメーカーとして周知されるまでの歴史。
それを受け継ぐ人々と、彼らがおすすめする味わい方をご紹介します。
シュラムスバーグの歴史 第一部
1862年、ジェイコブ・シュラムが政府から80haの土地を購入したところから、シュラムスバーグの歴史は始まりました。
3万本のブドウの樹を栽培しており、中国人労働者らが掘った洞窟にワインを保管していました。
1875年にはシュラムヴィクトリア様式の大邸宅が完成。それは現代にいたるまで受け継がれています。
当時はジンファンデルやカベルネ・ソーヴィニヨンのほか、ブルゴーニュスタイルのもの、ラインガウスタイルのものなど様々なワインを生産。
1890年には2万8千ケースを生産していた記録が残っています。
しかしジェイコブ・シュラムが亡くなって息子の代になり、アメリカの禁酒法時代を経てワイナリーは荒廃していきます。
そのシュラムスバーグをジャック &ジェイミー・デイヴィーズ夫妻が買い取ったところから、第二部が始まります。
シュラムスバーグの歴史 第二部
現在のシュラムスバーグ社長であるヒュー・デイヴィーズの両親がジャック &ジェイミー・デイヴィーズ夫妻。
会社幹部を歴任していた彼は1965年、家族を連れてナパ・ヴァレーに移り住みます。
当時カリフォルニアのワイナリーはわずか21件。
ジャックはワイナリーを再スタートさせた当初から、「アメリカを代表し世界に通用するスパークリングを作るんだ」の思いで一貫しています。
1965年にはアメリカ初、シャルドネを使ったスパークリングワインを発売。
1967年にもアメリカ初、ピノ・ノワール主体のヴィンテージ・スパークリング。
1980年のリザーヴ発売のころには、高級スパークリングの生産者として地位を確立します。
中国の周恩来首相、英国のチャールズ皇太子とダイアナ妃、エリザベス女王2世など各国のVIPとの公式晩餐会で振舞われるスパークリングワインとなりました。
シュラムスバーグは2012年で創立150周年を迎えました。
カリフォルニアにおけるスパークリングワインの歴史をつくった功績が認められ、アメリカ合衆国の国家歴史登録財となっています。
シュラムスバーグを作る人々
ヒュー・デイヴィーズ
シュラムスバーグ・ヴィンヤード 社長
両親であるジャックとジェイミーがシュラムスバーグを購入した1965年に生まれる。
「ヒューは手にグラスを持って生まれてきた」と言われるほど、幼少からブドウやオーク樽やタンクに囲まれて育つ。
カリフォルニア大学デイヴィス校で修士号を取得。
モエ・エ・シャンドンやオーストラリアのペタルマワイナリー、マム・ナパ・ヴァレーで修業し、2005年に社長に就任。
ゼネラルマネージャーであるとともに、ワインメーカーも務めます。
ショーン・トンプソン
ワイン製造ディレクター
ソノマ群の様々な農業がおこなわれている地域で育つ。
カリフォルニア大学デイヴィス校で化学の学位を取得。
ベリンジャー・ヴィンヤードを出発点として、主に赤ワインの醸造経験を積む。
再び大学でブドウ栽培とワイン学の修士号を取得。
スタッグリンで働いた後、2006年にシュラムスバーグの醸造チームに加わる。
主にシュラムスバーグの傘下のデイヴィス・ヴィンヤードにて、スティルワインの醸造に携わる。
2017年に両ワイナリーを統括する製造ディレクターに就任。
シュラムスバーグを楽しむおすすめレシピ
シュラムスバーグ ブラン・ド・ブラン
シュラムスバーグ ブラン・ド・ブラン
このワインはアペリティフとしてそれ単体でも楽しむことができますが、非常に多くの料理とも素晴らしい愛称です。
例えば新鮮な牡蠣、セビーチェ、スズキのグリル、レモンとチキンのタイカレー、野菜とカニのキッシュ、野菜のテリーヌなど。
家庭で楽しむなら『ツナとタプナードのクロスティーニ』が簡単に作れておすすめです。
レシピ:ツナとタプナードのクロスティーニ
※クロスティーニとはスライスしてトーストしたバケットの上に具材を乗せて食べるイタリア料理。ブルスケッタとも良く似ている。
※シュラムスバーグ提供のレシピを、日本で手に入りやすい材料に一部アレンジを加えています。
【材料】
●ツナ
マグロ 250g (キハダマグロやビンチョウマグロの短冊)
フェンネルシード 大さじ1
黒コショウ 小さじ1
ニンニク 1片
オリーヴオイル 約200ml(マグロが漬かるくらい)
●タプナード
ドライトマトみじん切り 大さじ3
オリーブみじん切り 大さじ1
レモンの皮すりおろし 大さじ1
エシャロットのみじん切り 小さじ2
(玉ねぎでも代用可 中1/6くらい)
イタリアンパセリみじん切り 小さじ1
黒コショウ 小さじ1/2
●クロスティーニ
バケット 1本
EXヴァージンオリーブオイル 約50ml
イタリアンパセリ(飾り付け用)
塩コショウ 適量
【作り方】
●ツナのコンフィ
オーブンを120度に予熱します。
マグロを一口大にカットし、フェンネルシード、黒コショウ、ニンニクをちらし、浸るくらいのオリーヴオイルを注ぎます。
オーブンで約1時間、マグロに火が通ってフレーク状に潰せるようになるまで加熱します。
油をきって冷蔵庫で冷やします。
●タプナード
マグロが冷めたら、ボウルの中でフレーク状にします。
上記の材料を全て入れ、よく混ぜ合わせます。お好みで塩を足します。
パサつくようならツナのコンフィにつかったオイルを混ぜる。
●クロスティーニ
オーブンを200度に加熱します。
バケットを6~8mmくらいに薄くスライスします。
両面にオリーブオイルを塗り、塩コショウで軽く味付けをしてクッキングシートを敷いた天板に並べます。
キツネ色になるまで10分程度焼きます。
●仕上げ
クロスティーニにタプナードを塗り、仕上げにイタリアンパセリを散らします。
※タプナードは混ぜ合わせた後しばらく休ませた方が美味しくなります。
作り置きもできてホームパーティーの前菜に最適です!
イタリアンパセリ、ドライトマト、ニンニクの風味が食欲を引き立てます。さっぱりとしたスパークリングワインが飲みたくなる味で、シュラムスバーグのブラン・ド・ブランに最適です!
シュラムスバーグ ブラン・ド・ノワール
ナッツの風味のあるソフトチーズや、マカダミアナッツをまぶすように調理したカレイ、ローズマリーとタイム香る豚ヒレ肉、ロブスターのフェンネルソースとよく合います。
家庭で作りやすい『豚ヒレ肉のロースト マスタードクリームソース』をご紹介します。
レシピ:豚ヒレ肉のロースト マスタードクリームソース
▼レシピ▼
【材料】
豚ヒレ肉 900g
バター 大さじ4
小麦粉 適量
シュラムスバーグ ブラン・ド・ノワール 100ml
チキンブイヨン 500ml
ディジョンマスタード 大さじ1/2
生クリーム 100ml
【作り方】
豚ヒレ肉を2cm弱の厚さにスライスし、包丁の背で軽くたたいて薄く丸い形にします。
塩コショウで味付けをし、小麦粉を薄くはたきます。
両面にしっかり焼き色がつくまでバターで炒めます。
芯まで加熱する必要がありますが、火を通しすぎると硬くなるので注意が必要です。オーブンで温めたお皿に移し、アルミホイルで覆って熱するといいでしょう。
小鍋にワインとチキンブイヨンを入れ、分量が1/4程度になるまで煮詰めます。
※粉末やキューブのチキンコンソメで代用する場合は、この工程を省略します。(小さじ1程度)
生クリームとディジョンマスタードを加え、塩コショウで味を調えて、とろみがつくまで煮詰めます。
※この煮詰め加減が難しいですが、冷めるととろみが強くなるので、味を見ながらちょっとシャバシャバかな、くらいで止めるといいです。
お皿にソースを敷いて、焼きあがった豚肉を盛りつけます。
マスタードソースのおかげで豚肉がどんどん食べられちゃいます。
単体だとクリームに包まれた印象のマスタードが、ワインを飲むことによって飛び立つかの如く爽やかに鼻を抜けていきます。