《生産者について》
カリフォルニア州の内陸部の産地、シエラ・フット・ヒルズ。そこはローヌ品種の産地なため、それほど人気のワインはありませんが、手頃で卓越したワインが見つかる隠れた銘醸地です。
1978年からカリフォルニアでワインショップ&バーを営んでいたビル・イーストン氏。彼はローヌや南仏のワインが好きで、特に「ドメーヌ・トレヴァロン」のワインに感銘を受けたそうです。そんなワインをつくりたいと1985年に「テール・ルージュ」を設立。ワイナリーの名前はその名の通り赤い土、花崗岩土壌の色にちなんでつけました。扱うのはローヌ品種のワインのみで全てワイナリーで熟成させてからのリリース。なのでこのワインは現行ヴィンテージです。
ローヌ品種以外のワインは「イーストン」ブランドに分けるほど、ローヌ品種への愛は徹底しています。
《このワインについて》
ワインの名前「ガリッグ」とは、フランスの地中海沿岸でつくられるワインに感じるとされる香り。本来はタイムやセージ、ローズマリーなどの野生するハーブの混じりあった香りのことです。ハーブそのものではなく自生する土地の風に混ざる香り。我々日本人には想像するか、このワインから感じるほかありません。
きっと最新ヴィンテージでは果実の香りが強くて「ガリッグ(ガリーグ)」の香りは出てこないのでしょう。シラーのスパイス香に混ざって何とも言えないドライフラワーやハーブの香りが漂います。口当たりはやさしくスムースで、熟成によるうま味のような感触。品種からイメージするどっしりパワフルな味わいは控えめで、上品さと深みを感じます。
Terre Rouge Garrigue