《レッドブレンドの位置づけ》
カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ジンファンデル、シラー、プティット・シラーなどの赤ワイン品種を用いた「レッドブレンド」あるいは「レッドワイン」。
その位置づけはワイナリーラインナップの中でもっともお手頃な入門用であることが多いです。
価格帯ゆえにそのレッドブレンドには、多くの人に好かれる・嫌われにくい味わいであることと、熟成を必要とせずすぐ飲めることが求められます。それゆえ酸味やタンニンは低めであることが多く、親しみやすくはあるのですが、ワイン評価誌で高い点数がつくことはありません。
それに対してケンウッドのものは、ソノママウンテンの冷涼な気候を反映し、ブドウの質に妥協を許さずつくられています。メルローを中心に、ジンファンデルとシラーをブレンド。結果として純粋に赤ワインとして質の高いものができました。
《生産者について》
ソノマ・ヴァレーの北側に「ケンウッド地区」というものがあり、その地を語源として1970年に設立されました。特に「ジャック・ロンドン・ランチ」という単一畑に誇りを持っており、小ロットの醸造によってこの地の特徴をあますところなく表現しています。
ソノマ・マウンテンは広いソノマ・カウンティの中で、ナパとソノマを隔てるマヤカマス山脈近く、比較的南寄りにあります。「ソノマだから冷涼」とは決して言えませんが、ナパ・ヴァレーに比べたら海への近さから確かに冷涼。ブドウはしっかりと熟しながらも、その味わいを支える酸味と味わいの骨格があるのが特徴です。
《テイスティングノート》
熟したベリーを思わせるあふれんばかりのフルーツ感がグラスからあふれ出します。チョコレートのような香ばしく甘いニュアンス。ナツメグやルバーブなどのスパイス・ハーブも感じます。レッドブレンドとしては珍しい、豊かな酸味とタンニン。エレガントな余韻が長く続きます。
Jack London Sonoma Mountain Red Blend Kenwood Estate