《手ごろなピノ・ノワールの分岐点》
特別な日ではない普段の晩酌。美味しいワインが安いほどうれしいのはみな同じ。ところが人気のピノ・ノワールは価格の差がしっかりと味に表れるので、「安くて美味しいものを見つけるのが特に難しい品種」です。
「この価格を超えるとぐっと世界が変わる」というボーダー。ピノ・ノワールの場合は3000~3500円の間にあるように感じます。そしてこのワインはボーダーの上側の味わいをしっかりと感じさせてくれます。
その根拠は次の通り。
〇「薄い」と感じさせない凝縮感
〇この品種らしい優雅で豊かな香り
〇3000円台の赤ワインとして十分な風味の複雑さ
〇人工的で無理してつくっているようなニュアンスがないこと
似たようなワインがひしめき合うこの価格帯で、頭半分くらい抜き出た品質です。
《生産者について》
メンドシーノ・カウンティはカリフォルニアのワイン産地の中で、ほとんど最北部・最西部にあります。沿岸を流れる寒流の影響で、カリフォルニアで最も冷涼な地域の一つ。ブルゴーニュ品種やアルザス品種の栽培が盛んで、スパークリングワインもたくさんつくられています。その地でオーナーのヴィントナー・チャールスは1955年からブドウを育ててきました。彼は「ブドウ品種ごとの自然な性格を味わってもらおう」という哲学のもとワインをつくっており、「ブドウのおいしさそのままに!」というイメージのワインをつくります。カリフォルニア州有機栽培農家(CCOF)の認証を取得しています。
《テイスティングノート》
ストロベリーやチェリー、クローヴのような特徴を持つ、落ち着いた香りがあなたを迎えます。その奥にはバラやヴァニラなどのほのかで複雑な香りもあり、ピノ・ノワールらしさを感じます。口に含んで感じる厚みは適度で、甘すぎることも重たすぎることもありません。ほどよく余韻も続き、満足度の高い1本。ワイン飲みで楽しんでも物足りなくなることはないでしょう。
Girasole Pinot Noir Mendocino