《このワインについて》
「マロキン」という言葉は「サンソー」の非常に古い呼び名と言われます。1600年にフランスの農学者オリヴィエ・ド・セレス氏がこの名称を用いてサンソーについて記述しています。
サンソーは1850年代に南アフリカに導入され、一時はケープ州で最も広く栽培されたスター品種でした。しかし20世紀に入るころにはそのスター性が衰え、他の品種の陰に隠れるようになっていきます。
その流れは近年変わってきています。嗜好のトレンドが変化し、すぐに飲める直感的に美味しいワインが求められるようになった現代、ピュアでやさしい果実味を持ったサンソーが再び注目株になっているのです。
赤いベリーやチェリーのみずみずしい香りに、赤や紫の花のニュアンス。口当たりは素晴らしくソフト。ピノ・ノワールより一段低いながら上品な酸味とタンニンの少なさが、このやさしい味わいを形成しています。
この押しつけがましさのない一歩引いたスタイルが絶妙で、心地よく1本飲み切れてしまいます。
《生産者について》
アタラクシアのワイナリーがあるのは、「天国に近い場所」を意味する「ヘメル・アン・アード」。ポール・クルーバーなどがあるエルギンの南側、より海に近い地区であり、南アフリカで最も冷涼な地域の一つです。
まだまだ歴史の浅い産地であり、各ワイナリーが設備投資の回収が終わっていないこともあって、ワインはやや割高。しかし、他の地域にはまねできない品質のピノ・ノワールとシャルドネを生み出す地区です。
その地のパイオニアであるハミルトン・ラッセルにて醸造長を務め、後に独立したのがこのアタラクシアのケヴィン・グラント氏です。
Ataraxia Marroquin Cinsault