《生産者について》
ブルゴーニュのボーヌから東へ約100km、スイスとの国境近くに位置するワインとグルメの土地がジュラ地方です。そのジュラの中でも中央部の銘醸地“レトワール”(星の意)の生産者です。ジュラといえば、白、赤、ロゼ、そして美食のための偉大なワイン「ヴァン ジョーヌ」が造られています。レトワールのワインは、日本はおろか、現地でも目にすることが珍しく、その名の通り綺羅星のごとく優れたワインを生み出しています。
《このワインについて》
この地域伝統のワイン「ヴァン・ジョーヌ」と同様の製法で造ります。通常の製法では、樽熟成中に蒸散により減ったワインを補って、樽内のスペースができないようにする「ウイヤージュ:捕酒」という作業が行われます。それをあえて行わず、「フロール」と呼ばれる産膜酵母が液面に張った状態で熟成させるのです。ヴァン・ジョーヌと比べると熟成期間は短いものの、それでも36か月です。
ヴァン・ジョーヌは伝統的な620mlのボトルに詰められますが、こちらは通常の750mlサイズであることも違いです。
リンゴのドライフルーツやハチミツ、クルミやアーモンドなどの複雑な香り。フィノタイプのシェリーなどとも共通項があります。ボディ感自体はやや軽やかなものの、口の中で広がる風味の芳醇さは強烈。決して大人しいワインではありません。酸とミネラルのしっかりとした、個性的で美しいワインです。
産膜酵母に由来する風味は個性的です。普段は有名な品種ばかりという方にとってはなじみがなく、ワイン単体では飲みづらく感じるかもしれません。しかしこの風味はフードペアリングで活きます。
お酢をつかった料理とワインの相性は結構気を遣います。特にスッキリ系白ワインは、酸味が尖って不快なものに感じることが多いです。それに対してフロール熟成のサヴァニャンをあわせると、不思議とワインが甘くなります。ピクルスなどの酢漬けの料理は分かりやすいです。
Philippe Vandelle Savagnin