《生産者について》
様々なワイン専門誌において、ラインガウ地方でトップクラスの評価を受けるのがこのロバート・ヴァイルです。
1868年創業なので、ラインガウの著名生産者にしては新参なのかもしれません。しかし創業間もなく頭角を現し、ボルドー1級シャトーと並んでドイツ皇帝ヴィルヘルム2世から愛された記録が残っています。
ワイナリーとしてゴーミヨ誌では5つ房、アイヒェルマンでは5つ星の最高評価を獲得。所有畑は70haとなかなかの規模で、特にVDPから特級格付けを受ける「グレーフェンベルク」を単独所有していることで有名です。
《このワインについて》
ロバート・ヴァイルのスタンダードクラスは2種類あり、このやや甘口の「トラディション」と、辛口である「トロッケン」です。
このトラディション用のブドウはグレーフェンベルクに隣接する区画から収穫されており、土壌は石が多く、断片化したフィライトにレスとローム質が混じっています。
白桃や柑橘のピュアなフルーツのアロマの奥に、土壌由来の濡れた石のようなニュアンスを感じます。フレッシュな果汁のような爽やかな甘味がきれいな酸味とともに広がり、舌の両脇をキュっと締めます。
甘くてスッキリとした味わいのリースリングならこの半額でもいろいろ選べるでしょう。しかしそのワインではこれほどの『気品』は望むべくもありません。
Riesling Tradition Robert Weil