《このワインについて》
地球温暖化が進む昨今、気候がピノ・ノワールに適さなくなってしまった土地もある一方、ドイツのように「ようやく十分にブドウが熟すようになった」という産地もあります。高緯度産地であるカナダも同じ。
いかに熟したブドウを収穫できるかが課題の産地で、これまでは白ワインがメインの印象。赤ワイン用ブドウもアイスワインにされてきましたが、赤ワインとしてもなかなか上質なものが表れ始めています。
ピノ・ノワールは人気の品種ゆえ、世界中で栽培されています。黒ブドウの中では涼しい気候でも熟しやすいゆえ、決して薄くないきちんとした品質のものがつくられます。まだ1万円を超えるような高級品はそれほど期待できないかもしれませんが、家飲み価格のものなら十分。いろいろなピノ・ノワールを飲みたい人にとって、新感覚を味わえるでしょう。
《テイスティングノート》
アメリカンチェリーや茶色のスパイス、チョコレートのような香り。スムースで滑らかな味わいが広がり、渋味はほとんどなし。アルコール度数はやや低めですが、尖った酸味は感じません。ほのかにコショウのようなスパイス感をもって消えていきます。見慣れない産地かもしれませんがその個性は意外と大人しい、苦手とされにくい味わいです。
《生産者について》
コンゼルマンはナイアガラ・ペニンシュラで唯一、オンタリオ湖のすぐそばにあるワイナリー。19世紀の終わりにドイツの移民であるフリードリッヒ・コンゼルマン氏が設立しました。今日に至るまで家族経営のワイナリーとして、成功を続けています。
現在のワインメーカーはシャンタル・シルヴァーソーン氏。ナイアガラ郊外の出身で、大学にて栽培と醸造を学び、2021年にコンゼルマンのチームに加わりました。
Konzelmann Pinot Noir