《公式テイスティングノート》
輝きのある紫をおびたルージュと表現したい。ブルーベリーやブラムを連想させる果実の香り、そして優しいハーブのニュアンス。口に含めば、キメの細かいタンニンと、優しくふくよかなバルベラらしい赤系果実の味わい。酸も程よく、ミッドパレットでは、すみれを連想させる感もあり、優しいフィニッシュにつながる。
《このワインについて》
「なんでわざわざ南アフリカでバルベラを飲むの?しかも1万円なんて」そう感じるのが普通の感覚だと思います。それを承知の上で、バイヤー片山が一口飲んでどうしてもみなさまにご紹介したくなったのがこちらです。
ピエモンテのバルベラのような酸味のシャープさはありません。高い日照量ゆえでしょう。ただしもともと酸味が高めの品種なので、豊かなボディを支えるのには十分。ふっくらと優しい口当たりのあとに、鼻を抜けていく香りのボリューム感に驚かされました。単なる物珍しいワインではない、壮大なスケール感のある味わい。これならワイン通の人たちをもビックリさせられます。
《生産者について》
南アフリカ、スワートランドの著名生産者であるバーデンホースト。そこで働きながら自らのワインをつくるのが、佐藤圭史さんです。南アフリカでワインをつくるのは、日本人として初めて。
もともとはオレゴンワインからこの世界に没頭し、サラリーマンをした後、ワインバーを開業。その後南アフリカワインに衝撃を受けて、ワインをつくる側に回ります。バーデンホーストのアディと親交を深め、彼のワイナリーを手伝いながら、2017年に自らのワインをつくり始めました。
ワインの名前「Cage」は、留学時代の圭史さんの相性であるとともに、「C=Cape」「A=Adi」「G=Greeting」「E=Earth」という意味も込められています。南アフリカで出会った人々と大地への感謝の名前なのです。
Cage Barbera