《このワインについて》
ワイン名こそ「マルターディンガー・シャルドネ」ですが、「Chardonnay」の文字はなかなか見当たりません。このラベルには生産者の夢が詰まっています。
「マルターディンゲンのワインは・・・」「ボンバッハの香りは・・・」まるでブルゴーニュワインの村の違い、畑の違いを語るように、ドイツのバーデン地方でも土地の味わいを愛好家が語るようになる。そんな未来を目指していたのが、先代ベルンハルト・フーバー氏と、現当主のユリアン氏でした。だからこの村名格ワインには村名だけの表記。品種ではなく土地で選んでほしいという意図の表れです。
もともとは「ヴァイスワイン」として、シャルドネとヴァイサーブルグンダーのブレンドでつくられていました。2021年ヴィンテージから「ブライスガウ」という地域名クラスが分かれ、シャルドネ100%でつくられるようになりました。
樹齢30年ほどのブドウと、植え替えられたばかり若木からつくられます。きっとその若木の中には、最高区画「ヴィルデンシュタイン」のブドウもちょっとだけ入っているでしょう。
《生産者について》
ベルンハルト・フーバー醸造所は、ドイツの南部、バーデン地方のマルターディンゲン村に居を構えています。その地がかつてピノ・ノワールの名産地であったことを知った故ベルンハルト・フーバー氏は、1987年に醸造所を立ち上げ、2011年にはゴーミヨ氏で赤ワイン賞3冠に輝きました。現在は息子のユリアン・フーバー氏がその意思をついで、より透明感あふれるワインづくりをしています。
《テイスティングノート》
ユリアン氏がつくるワインらしい、還元的で緊張感のある香りです。香りの密度は高いのにフルーツ感は控えめで、柑橘類や上品な樽香。フレッシュな酸味とともにうま味感が口いっぱいに広がり、そのまま広がる余韻として口内を支配します。シャルドネ100%となってさらにスケール感がアップした印象です。
かつての「アルテレーベン」くらいの価格となってしまいましたが、品質はそのクラスまでアップしています。フーバーファンなら見逃すべからず!
※開けたては還元状態で焼けたゴムのような香りを感じることがあります。空気接触で良くなるので時間を置いて楽しんでください。
Huber Malterdinger Chardonnay