《生産者について》
このワインをつくるアーネスト・ローゼン氏は別名「リースリングの魔術師」。ワイン醸造家の腕前だけでなく商才にも恵まれた人物で、生まれ育ったモーゼルだけでなく、ファルツやオレゴンでもワインをつくります。チームを指揮する能力が高いのでしょう。生産拠点を増やしながらもきちんと「ローゼン味」です。
ではその「ローゼン味」とはどのようなものかというと、「特徴がないのが特徴」というのが近いでしょう。ブドウ品種の個性と土地の特徴をある程度ワインに表現しつつ、あまり尖った味にしない。多くの消費者にそこそこ好まれる味。評論家よりも一般消費者にあわせているように感じます。それもあってか、酸味の感じ方はモーゼルのワインとしてはやややさしいもの。
《このワインについて》
モーゼルらしいやや糖分を残した仕上げ方をしているこのワイン。購入したブドウからつくる普及価格帯ではありますが、ローゼンさんらしい安定して無難な味わいを感じます。
柑橘や白桃の繊細な香り。リースリングらしい高い酸味を高く感じさせない、やさしい甘味とのバランス。軽やかな口当たりはついつい飲みすぎちゃいそうです。
Villa Loosen Mosel Riesling