《テイスティングノート》
「過熟」とさえ言えそうなプルーンやブラックベリーの熟したアロマに、バニラやチョコレートなどのオーク樽由来のニュアンスが豊かに混ざります。香りが期待させる通りの味わいがしっかりと舌の上で広がり、おそらく残糖があるであろう甘やかな果実味が舌を包みます。非常に濃厚なワインではありますが、タンニンは熟しており渋味は目立ちません。ナパ・カベらしい重量感を伴って重層的な余韻が長く続きます。
このカテゴリーのワインを飲みなれている方には、「689がつくるナパ・カベ」という言葉だけで、その味わいが99%伝わってしまう。それほどこの生産者らしいパワフルさと親しみやすさです。
甘味を感じるような濃厚さという味筋は、「ケイマス・カベルネ・ソーヴィニヨン」に通じるところがあります。価格を比べるなら半額以下!樽リッチワイン好きは試してみる価値があります。
《生産者について》
多くの顧客のニーズを聞いて、それをくみ上げたワインをつくるべく「689セラーズ」は生まれました。「689」の数字は、「バラバラのものが一つに調和する」という意味が込められており、それぞれの数字は、
6 - 幸福
8 - 豊かさ
9 - 長寿
を象徴しています。
ナパやソノマのワインを専門に扱うマーケティングエージェント会社であるプルミエ・ワイン・グループが、醸造家のケント・ラスムセン氏を迎えて設立したベンチャーワイナリーです。
ワインの味筋はソムリエや専門家ではなく、一般大衆消費者をターゲットにしたもの。小難しさがなく、特濃で、甘くなめらか。一口目から心をつかまれるようなワインをリーズナブルな価格で提供してくれるのが魅力です。
Master & Servant Napa Valley Cabernet Sauvignon 689 Cellars