《生産者について》
ヘーグルはオーストリアの銘醸地として名高いヴァッハウに居を構える生産者。当主のヨゼフ・ヘーグルさんは、ヴァッハウの他の有名生産者のもとでワインづくりを学んだあとで、実家にもどって畑を引き継ぎました。
ヴァッハウはオーストリアのワイン生産地としては最も西に位置します。この辺りは東のハンガリー方面から暖かい空気が入ってくる影響で、東の地区ほど肉厚で力強いワインを生み、西へいくほど冷涼でエレガントな酸味を備えます。ヘーグルの醸造所があるのままさにその西の端であり、ヴァッハウの中でも非常にドイツ寄りなワインをつくる生産者です。
ヴァッハウの生産者の中で特別評価が高いというほどではありません。しかしそのエレガントな味づくりが評価されるのでしょう。近年結構なペースで値上がりしているにも関わらず、輸入元さんの在庫もしっかり回転しているようです。
《このワインについて》
ヘーグルが所有する自社畑の一つ「ブリュック」。南東向けの段々畑で夕日が当たらないため、豊かな酸味を保ったリースリングができるといいます。もう一つの畑「シューン」に比べて水はけがよく、それもリースリング向きです。
「スマラクト」は通常販売している「フェーダーシュピール」よりもより熟したブドウを使っていることを示しており、スケール感のある辛口白ワイン。年に1度しか入荷しない、むしろ毎年入ってくるかもわからない貴重品です。
本来の飲み頃はまだまだ先ではあるのでしょうが、既に表現力豊かな素晴らしい香り。緊張感を保った中に、桃やレモンのようなアロマが香ります。研ぎ澄まされた酸味とドイツ産とは違う骨太なグリップ感。塩味を思わせる硬質なミネラル感が非常に長く続きます。
Hoegl Bruck Riesling Smaragd