《このワインについて》
元々はフリードリッヒ・ベッカーさん宅や従業員宅の家飲みワインとしてつくられていた「プティ・ロゼ」。
輸入元さんが3度4度と通って仲良くなって、ようやく分けてもらえたロゼワインです。もちろん当初は桜のラベルではありませんでした。
「季節限定のような商材がほしい」小売店からそんな要望を受けて、ラベルに描かれているブドウの木を桜にすることを思いつきます。生産者本人にも「オッケー!」と許可をもらって、輸入元にてシールを貼って販売したところバカ売れ。翌年からはシールを貼る専門のパートさんを雇うほどだったそうです。
後からシールを貼るのも追いつかなくなり、生産者に依頼してプリントしてもらう、現在のエチケットデザインになった経緯です。
プティ・ロゼの特徴は毎年ブドウ品種が違うこと。ピノ・ノワールやポルトギーザーは毎年入っていますが、その比率は年によりまちまち。今年はシュヴァルツリースリング(ムニエ)が入って、色も例年よりやや濃いめです。
《テイスティングノート》
毎年味が変わるのに、いつもしっかり美味しく仕上げてくる。なんといってもハズレがない安心感がベッカーの魅力の一つ。ただし一貫して酸味は高めのスッキリロゼワインです。
イチゴやチェリーなどのチャーミングなアロマ。フレッシュで弾けるような果実味と、舌の両脇をキュっと刺激する酸味。明るく朗らかな春の日にピッタリな味わいです。
毎年味のバランスや風味が変わります。「去年飲んだから・・・」と言わず今年もツムボール!(ドイツ語の乾杯)
《生産者について》
フリードリッヒ・ベッカー醸造所は、ファルツ地方の中でもフランス・アルザスに面した国境近くにあります。 ゴーミヨ誌で8年連続最優秀赤ワイン賞を受賞するほどの、ピノ・ノワールの名手です。
きつねのエチケットはワイナリーの哲学のあらわれ。イソップ童話の「酸っぱいブドウとキツネ」の話に因んでいます。周りが甘口ワインばかりつくる時代に酸味を大事にしたピノ・ノワールで世界に認められた。その実績を皮肉ってるのです。
Becker Petit Rose Sakura Label