《協同組合のメリット》
ワインの醸造設備を構えるのには多くのお金がかかります。ブドウ畑を持ついくつもの農家でそれを共有することで1軒あたりの負担を減らし、手頃にワインを提供できるのが、協同組合の利点です。中には何百軒という農家が加盟する大きな組合もあり、手ごろなワインを安定供給しています。
それだけの農家が集まるので、協同組合のワインが有機認証を受けている例はあまりありません。ブドウを持ち寄ってワインをつくるなら、すべての畑で認証をとらないといけないからです。
《生産者について》
その中でこのエステザルグ協同組合は珍しいタイプ。加盟農家はわずか10軒。しかも栽培家ごとにそれぞれの名前を使い、それぞれのラベルでワインをつくります。組合の7割は有機栽培の認証である「エコセール」を取得してるというのも珍しいです。
醸造はドゥニ・デシャン氏が一括して行いますが、栽培家ごとにワインをつくってそれぞれの販路に出荷します。なので日本では複数の輸入元から違ったラベルで「エステザルグ」のワインが流通しています。
《テイスティングノート》
透明感のあるルビー色が、濃厚さを追い求めたのではないやさしい味わいを予感させます。カシスやオレンジのようなフルーツ感に、リコリスのような甘いスパイスの風味も感じます。いろいろなベリー系の果実味はじわっとやさしく広がり、ずっしりと重くはなくチャーミングな印象です。
Cotes du Rhone Village Signargue Domaine Les Genestas