《試飲してワインを買うのが好きな方へ》
都心部に住んでいると、百貨店のワイン売り場に足を伸ばせばなにかしらの試飲販売があります。一口飲んで気に入ったものを買う。口に合わないものは買わなければいいので、失敗の少ない買い方です。
しかしその方法で購入できるのは、「試飲販売に強くて、輸入元が売りたいワイン」に限られてしまうのが一つのデメリットでしょう。生産量・輸入量が多く、小さなプラカップで飲んでも美味しいと思ってもらいやすい、濃厚な味わいのワインです。オーク樽熟成由来の香りが強めのものも有利です。
このワインはピュアな果実味とスムースな口当たりを魅力にした、飲み心地のやさしさを追求したワイン。試飲販売では次のワインを飲んだ瞬間に忘れ去られがちなタイプです。でもそれゆえの良もあるんです。
《テイスティングノート》
ブドウ品種はサンソーとシラーのブレンド。どちらも果実味が豊かに現れる品種ですが、ステンレスタンク発酵・熟成でオーク樽は使わないので、どっしり重たくはならずフルーツ感がピュアに現れています。ブラックベリーやアメリカンチェリーのような熟したベリー系果実のアロマ。渋味はそれほど目立たず、適度な酸味と合わせて口当たりは極めてスムースです。決して高級ワインの味はしませんが、2000円台前半の赤ワインにそれは求めませんよね?この価格なりにストレスなく肩の力を抜いて飲めるのが魅力です。
いつもは濃厚ワインがお好きな方。「今日はちょっと疲れ気味だから、赤ワインはパスしてビールにしよう」ってことありませんか?濃厚さに体が構えてしまっているんです。そんなときにこの「ジュール・フリュイ」です!
《生産者について》
ラングドックにあるAOC「フォジェール」に含まれる村であるラ・リキエール村に、マス・オネジムはあります。3代目のオリヴィエ・ヴィラヌーヴァが2011年から自社瓶詰を始めました。ビオディナミで栽培することに誇りを持っており、この「ジュール・フリュイ」はビオディナミカレンダーにおける「果実の日」の意味。2021年に誕生したばかりの、ワイナリーの看板を背負うワインです。
Mas Onesime Jour Fruit