《エトナ・ロッソの味わい》
エトナ・ロッソはイタリアのシチリア島、エトナ山の山麓でつくられる赤ワイン。ネレッロ・マスカレーゼ種を主体にネレッロ・カプッチョなどがブレンドされることもあります。
緯度が低く温暖なイメージが強いシチリア島。なので初めて飲む人は、「南の島でこんなに上品なワインをつくれるとは!」と驚くでしょう。果実味があまり前に出てこず、優美でありながら引き締まった複雑な香り。南にありながら上品なのは標高の高さによるもの。酸味の感じ方はピノ・ノワールに共通する上品さがあり、違う点としては力強いタンニン。熟成ポテンシャルも抜群です。エトナ山に由来する火山性土壌がもたらすミネラル感は、ワインに奥行を与えています。
エトナ・ロッソは基本的に高級品なので、10年以上前のバックヴィンテージが5000円弱はちょっと異常!そう言えるほどお買い得な1本です。
《テイスティングノート》
しっかり熟成香が現れています。紅茶や枯れた葉、タバコやクローヴなどの複雑な香りが豊かに立ち昇ります。5000円のワインのボリュームではありません。果実味の凝縮感はまだ十分な強さがあり、熟成によって素晴らしくきめ細かくなったタンニンが滑らかに舌を流れます。飲み込んだ後には何とも言えない香りが鼻を抜けていく、奥行きのある味わいは、上質なピノ・ノワールに共通項があります。
《生産者について》
カンティーネ・ルッソは1860年から続くブドウ栽培農家。1956年からこの名前でワインをつくり続けています。エトナ火山の北東に広がる畑は、海抜650m~1000mと標高が高く冷涼で、それが豊かな酸味を保ちます。乾燥しており、風通しがよく、昼夜の寒暖差があるので、ブドウの生育に理想的な環境です。エトナ品種に限らず、シチリアの土着品種から幅広いワインを手がけています。
Etna Rosso Rampante Cantine Russo