《薄旨といえばピノ・ノワール?》
色は淡くアタックもソフトで渋みはほとんどない。でも香りにボリュームはあって余韻はしっかり続き、旨味感がある。決して薄くてシャバいワインじゃない。
そんな薄旨ワインファンは年々増加しているように感じます。特に飲む量がある程度多く、1人でワインを飲む方にとっては、その軽い飲み心地が飽きなくていいのでしょう。
多くの人はそれをピノ・ノワールに探します。でも3000円以下で探しても、バランスのとれたものはなかなか見つかりません。最低でも5000円は出さないと「薄旨」じゃなくて「薄い」になりがちです。
7000円を普段飲みできる方ならピノ・ノワールをどうぞ。でもそうでない方は「キアンティ」のスタンダードクラスを検討してみてもいいでしょう。
《このワインの味わい》
キアンティの味わいは非常に幅広く、「キアンティはこんな味」とイメージできる人は多くないでしょう。サンジョヴェーゼ自体は果実味も酸味も渋みも強くなりやすい品種なので、パワフルなワインもつくれます。
しかしこのワインは、カンタガッロのスタンダードランクに位置づけられるだけあって、幅広い人に何度も普段飲みしてほしいという意図で味づくりがなされています。
醸造にオーク樽は用いず、ステンレスタンクで発酵・熟成。明るいルビー色をしており、チェリーなどの赤いベリーのシンプルな香りが豊かに漂います。上品な酸味が全体をキュっと引き締まった印象にしており、タンニンはそれほど感じません。「ピノ・ノワールっぽい」といえば少し言い過ぎですが、上品で軽やかなのは確かです。
《生産者について》
テヌータ・カンタガッロはキャンティのモンタルバーノ地区に18haの畑を構える生産者です。サンジョヴェーゼのほかにシラーやメルローを栽培しており、どれもエレガントでスマートなワインを生産しています。
Chianthi Montalbano Tenuta Cantagallo