《生産者について》
セントラルコースト内のサンタ・ルチア・ハイランズ。そこがピノ・ノワールの産地として徐々に人々に周知されつつあることは、このピゾーニ抜きには語れないでしょう。
ゲイリー・ピゾーニが1982年に植樹したときからピゾーニはスタートしました。標高300~400mにあるこの畑のブドウ品質があまりに高かったので、「ピゾーニ・クローン」としてカリフォルニア各地に植えられています。
ワイナリーとしての知名度は、その生産量の少なさゆえに「知る人ぞ知る」といったところ。それよりもブドウ栽培者として非常に人気で、ピゾーニのブドウを使ってつくる生産者はそうそうたる名前が並びます。ピーター・マイケル、コスタ・ブラウン、シドゥーリ、パッツ&ホール、ミウラ、オーハイ、アルカディアン・・・いずれも平気で1万円オーバーのワインばかりです。
この「ルチア by ピゾーニ」は2000年に設立したブランド。1997年にはゲイリーズ・ヴィンヤード、2008年にソベラネス・ヴィンヤードを取得しています。
ワインの味筋として特徴的なのは、ハッとするような華やかな香りと上品さ。ただしアルコール度数は14%を超えることが多く、ブルゴーニュ的な繊細な口当たりとは違います。口当たりに厚みがありながらもその美しい印象に、多くのピノ・ノワール好きが魅了されています。
《このワインについて》
ソベラネス・ヴィンヤードにもほど近いサンタ・ルチア・ハイランズの中央部にあり、標高40-120m。東向きのなだらかな斜面で、沖積ロームの土壌。朝晩には霧が畑をすっぽりと覆うので気温が上がりにくく、それがワインに上品な酸味をもたらします。
《テイスティングノート》
ブラックチェリーやストロベリー、サンダルウッドのような香りに、フレッシュな杉やクローヴ、セージなどの爽やかなニュアンスが混ざります。しっかりとした味わいの骨格がありながらもタンニンはソフトで親しみやすさがあります。今飲んでも十分美味しいのですが、10年ほどをかけてさらに複雑味を増していくでしょう。
Pinot Noir Garys' Vineyard Santa Lucia Highlands Lucia by Pisoni