《生産者について》
ベルンハルト・フーバー醸造所は、ドイツの南部、バーデン地方のマルターディンゲン村に居を構えています。その地がかつてピノ・ノワールの名産地であったことを知った故ベルンハルト・フーバー氏は、1987年に醸造所を立ち上げ、2011年にはゴーミヨ氏で赤ワイン賞3冠に輝きました。現在は息子のユリアン・フーバー氏がその意思をついで、より透明感あふれるワインづくりをしています。
《ユリアンの代で変わったこと》
やや分厚いボディを持ったベルンハルトさんの作品と比べて、ユリアンはよりエレガントに仕上げます。
収穫を2週間ほど早めることでアルコール度数をやや抑えめにし、果汁を絞るプレスもあえて旧式のものに変えました。それは醸造時にオリが1.5倍ほど出るのが特徴で、そのオリとともに12か月の樽熟成を行います。
《このワインについて》
フーバーはアルテ・ブルクの畑を2ha所有しており、そのうち1haをGG(グラン・クリュ)用として使っています。5年以上前からワイン自体はつくっていたのですが、樹齢が低く品質が伴わないのでブレンド用でした。ようやく納得のいくものができたため、2019ヴィンテージからグラン・クリュのラインナップに加わりました。
フーバーの他の畑と違って近くに森や山がありません。風通しが良くて乾燥する畑で、ブドウの粒が小さく力強いワインになるといいます。
《テイスティングノート》
個人的にはかなり上質なモレ・サン・ドニのワインを連想しました。
プラムやチェリーなどの赤いフルーツのアロマに、森の下草や腐葉土、アニス、ジュニパーベリーなどのニュアンス。口に含むと香りの印象より果実味は甘やかです。タンニンや酸味はソフトで丸く、ドライな印象。
現時点では他の3つのグラン・クリュにはスケール感で劣ると感じました。しかし価格に対しての価値は十分にあります。
Kendringer Alte Burg Spatburgunder Reserve Bernhard Huber