《ナパ・ヴァレー 山のAVA》
畑の位置でワインの味が変わるのは世界中どこでもそうですが、ナパ・ヴァレーは特に狭い範囲で様々なワインがつくられます。その要因として「ヴァレー」を形づくる2つの山脈、マヤカマス山脈とヴァカ山脈が重要。畑が山のなかにあるのか、山の麓にあるのか、谷底平野にあるのか。
普通なら標高が低い方が温暖な畑になるものですが、ナパ・ヴァレーは逆です。朝晩に立ち込める霧により日照がさえぎられる低地のほうが涼しいのです。昼間暖められた空気が上がってくるため、山の生産地区のほうが夜間に暖かく、気温の日較差が小さく、ブドウがよく熟します。長い日照時間によりブドウの果皮は厚くなり、ワインに豊富なタンニンを与えます。これが山のAVAでつくられるカベルネ・ソーヴィニヨン、「山カベ」の特徴です。
《生産者について》
マヤカマス山脈の東側斜面にある生産地域が「マウント・ヴィーダーAVA」。この地域名がつけられるより前の1973年から、高品質なカベルネ・ソーヴィニヨンを作り続けているのが、マウント・ヴィーダー・ワイナリーです。標高270-490mに分布する3つの畑を所有しています。
2002年からは「ロバート・モンダヴィ・ワイナリー」や「シュレイダー」を所有するコンステレーションの傘下で、品質の追求路線は強化されています。
《テイスティングノート》
高い凝縮感と堅牢なタンニンという、山カベの典型的な特徴を感じられる赤ワイン。カシスのような果実味はそれほど前に出てこず、皮革や森の土、ナツメグなどの香りを感じます。タンニンの量は非常に多いのですが、細やかでシルキーなので決してネガティブには感じません。
ただし飲む際の温度には注意が必要で、18℃までは上げたほうが、よりこの山カベの風味を楽しめるでしょう。
Mount Veeder Winery Cabernet Sauvignon Napa Valley