《生産者について》
「689」この数字は今や、一部のワインファンの中で「美味しいワイン」と同義でしょう。
別にコアな愛好家じゃありません。詳しくないけどよく家で晩酌にワインを飲む。お気に入りを見つけたらついリピートしちゃう。
とりわけ一口目からインパクトのある濃厚なワインがお好きな方は、この生産者を見逃す手はありません!
中国の文化では、6、8、9の数字は幸運をもたらすと考えられています。オーナーがアジア圏を旅行した際に、幸運だと思える体験を何度もしたことから、この名前を付けました。
689セラーズの魅力は何と言ってもコストパフォーマンス。値段に見合わぬ凝縮感があり、オーク樽熟成の風味をしっかり感じ複雑さがあります。デイリーに楽しめる価格帯でありながら、ちょっと上級なワインに感じさせてくれる点が、「また飲みたいな」と思わせる秘訣なのでしょう。
《このワインについて》
コストパフォーマンスが売りといいながら3000円台後半の価格は、イマイチ説得力がないでしょう。でもちゃんと689らしい「価格以上の味わい」を感じさせてくれます。
凝縮感の高い濃厚な味わい。これ自体は689のワイン全てに共通しています。そのなかでこの赤ワインには、引き込まれるような、吸い込まれるような引力を感じる。それは香りの複雑さからくるものでしょう。甘濃いアロマの中に、どこか野性的なスパイスの複雑さを感じます。もっと鼻を近づけてこのワインに集中すれば、もっといろいろな風味を感じ取れそう。そんな奥行きがあるのです。
これはカベルネ・ソーヴィニヨン主体では表現できない複雑さ。グルナッシュを主体にシラーやプティ・シラーという珍しい品種構成のなせる業でしょう。
689 Cellars Killer Drop