ピノ・ノワール、それは実に気難しいブドウ。圧倒的な香りのボリューム、透明感のある上品な味わい。こういった魅力を引き出すには、相応の技術や最適な気候を必要とします。
それゆえ、低価格帯のワインの多くは、ぽってりと甘かったり、香りが乏しいなど、ピノ・ノワールのポテンシャルを引き出せていないのが現状です。
安くて「ちゃんとピノ・ノワールとして美味しい」ワインはないのか?それを今回、試飲会で見つけてきました。
《テイスティングノート》
比較的大ぶりなグラスの中をしっかりと満たす、ボリュームのあるバラやスミレの香り。赤系果実のフレーバーはよく熟したニュアンスを持ちつつも、ジャムのようなぽってりとした甘さは感じません。穏やかなタンニンと酸がバランスよく調和し、長い余韻を演出します。
《このワインについて》
エルギンの自社畑ピノ・ノワールを100%使用。ブドウは収穫後手作業で良い房のみを選別し仕込みに回されます。
粘土、頁岩、テーブルマウンテン由来の砂質土壌など多様な土壌の特性にあわせて、4つの異なるクローンが植えられています。
《生産者について》
海の近く、冷涼な気候で高級ピノ・ノワールなど産出する、近年注目の産地「エルギン」。ここにシャノン・ヴィンヤーズは居を構えています。
栽培家ジェームス氏は2000年に畑を拓いてから、国内のみならずブルゴーニュやナパ、チリなどの生産者を訪れて多くを学びました。
2007年に自身のワイン造りを開始。2008年9月のケープワインフェアにて、満を持して自分のワインをお披露目したところ、多くのワイン関係者がブースを訪れそのポテンシャルの高さに驚き、絶賛を受けました。
常に最高のワインを追究する、今後も注目の生産者です。
Shannon Elgin Pinot Noir