《このワインについて》
オーク樽で8か月間ウイエ熟成。ウイエ熟成というのはヴァン・ジョーヌの熟成と普通の樽熟成の中間。樽を通しての蒸発でワインが目減りして、そこに産膜酵母(フロール)が張るのまでは一緒ですが、そこにワインを継ぎ足しながら熟成します。ヴァン・ジョーヌよりもサヴァニャンの品種特性が表れたフレッシュなワインになるといいます。
クセの強さも価格も抑えめなヴァン・ジョーヌ的なポジションのワイン。単体ではそこまで印象強くはありません。
それでもこのワインを仕入れた理由。フードペアリングは圧倒的に強いからです。レストランのオードヴルに酢でマリネした魚介が乗っている場合。リースリングやソーヴィニヨン・ブランなどのスッキリ系のワインでは酢酸との相性で酸味がとげとげしく感じることがあります。そういう合わせにくい料理も含めて、幅広い味付けに対応するのが酸化熟成のサヴァニャンです。苦味を持つ野菜料理にもいいでしょう。
バスケットボールで試合の流れを変えるために投入される6人目の選手のごとく、あわせるワインに困ったときの救世主になるかもしれないワインです。
以前の「プレミス」というワイン名から、中身そのままに「プレリュード」に変わりました。
《生産者について》
オーナーはヨアン・ヴィドメール氏。医学生のころにワインに出会い、「私が本当になりたいのは、医者ではなくヴィニュロンである!!」と人生の方向転換。故郷ジュラのワイナリーで働き経験を積みながら、自らの畑を取得して栽培を開始。2018年に念願の醸造所が完成しました。
「私のラッキーナンバーは5! 愛する家族も5人、栽培しているブドウも5品種、そしてワインは5感で味わうもの」その「5」にイニシャルを加えたのが、「レ・サンク・ヴィ」というワイナリー名です。
《テイスティングノート》
きんかんやオレンジの皮のようなほのかなフルーツの香りに、シェリーやアーモンドのような軽い酸化の香りが混ざります。酸味は高くないのですが刺激的で、通常の白ワインとは少し違った風味が広がります。
Prelude Savagnin Ouille Les 5wy