《ナパ⇒パソ・ロブレスに産地変更》
近年ナパ・ヴァレー産カベルネ・ソーヴィニヨンのブドウ価格が益々上がっているそうです。それもあってブドウを購入してつくる手ごろなワインは、つくり続けるのが難しくなり、産地変更する例が多くみられるようになってきました。
この「テキストブック」もまさにその例であり、ナパ・ヴァレーからパソ・ロブレスへと変更になりました。しかしペイ・ファミリーがもともと目指している「品種と産地のテキストブックとなるようなワインをつくること」というヴィジョンは変わりません。
ではパソ・ロブレスの教科書的なカベルネ・ソーヴィニヨンとはどんなものでしょうか。
この地はカリフォルニアのワイン産地で最も昼夜の寒暖差が大きいそうです。その差28度!ブドウは日中にしっかりと光合成し熟度を高めます。しかし夜間は冷え込むために成長が進まず、ブドウは酸度を保ちながら長い期間をかけて完熟します。
加えて石灰質を含む土壌が、パソ・ロブレスのカベルネ・ソーヴィニヨンを個性的なものにしているといいます。
《テイスティングノート》
プラムやカシスなどの適度に熟したベリーのアロマがストレートに上がってきます。甘いニュアンスは控えめ。オーク樽由来のヴァニラ香も抑制的で、ベーキングスパイスや木のような香ばしさを添えています。口に含むと生き生きとした果実味が広がり、タンニンと酸味が味わいに骨格を与えます。
赤身肉をしっかり噛みしめながら飲みたいバランスで、同価格帯のナパ・ヴァレー産にありがちな親しみやすさとは少し異質。派手さや豪華さを抑えた、オトナな雰囲気の味わいに仕上がっています。
《生産者について》
「このワインはまさにナパワインのテキストブックだわ!」作り手が持つナパワインのイメージを、的確に表現したその味わい…設立者のひとりであるスーザン・ペイの漏らした感想が、ワイナリー名の由来となりました。
この生産者は自分たちのテイスティングルームやワイナリー施設を持っていません。ナパの地で施設を持つには多額の資金が必要で、それだけお金を掛けるなら、より良い樽を購入するなど、ワイン造りの道具に使いたいとの考えに基づいてのことです。
Textbook Cabernet Sauvignon Paso Robles