《この産地について》
オーストリアの最南端、スロベニアとの国境近くに、「ヴェストシュタイヤーマルク」という産地があります。
ここは世界にそう多くない、ロゼワインに特化した産地。フランスのプロヴァンス地方の方がずっと有名ではありますが、プロヴァンスのロゼは温暖な気候の元つくられるややぽってりとしたロゼワイン。それに対しヴェストシュタイヤーマルクは、『世界一酸っぱいロゼワイン』として有名です。その名も「シルヒャー」。
畑の面積は600ha弱しかない小さな産地。そのうち約500haは、「ブラウアーヴィルトバッハー」というシルヒャーのための黒ブドウが栽培されています。
《生産者について》
この地で1700年代から続く伝統的なワイナリー、「ラングマン」。シルヒャーを愛し、その味わいを世界に発信することを指名するシュテファン・ラングマンさんが現当主を務めます。この地で最大規模の生産者です。
《このワインについて》
ラングマンさんのもつ3つの畑からつくられるシルヒャーのベーシッククラス。畑ごとの個性が強く出ないので、この地伝統の「シルヒャー」というものを味わうにはまずこの1本がおすすめです。
うたい文句こそ「世界一酸っぱいロゼ」ですが、栽培技術の進歩かブドウはしっかり完熟するようになり、かつてのようなめちゃくちゃな酸度は無くなりました。2022年の酸度は8.0g/Lで、ドイツの辛口リースリングと同じくらいの酸度です。ぜひ怖がらずにお試しください。
《テイスティングノート》
赤いベリーやチェリー、グレープフルーツのような酸味をともなうフルーツの香り。スムースな口当たりで余韻を心地よい酸味がキュッとしめます。爽やかで個性的なロゼワインです。
Langmann Schilcher Klassik