ベッカーについて、より詳しく

ドイツで赤ワインといえばこの人!世界中で絶賛されるベッカー醸造所

ドイツで最も権威あるワイン雑誌『ゴーミヨ』
2001年?2009年までの8年間、最優秀赤ワイン賞を独占してしまったのがこの「フリードリッヒ・ベッカー醸造所」です。2006年には「ライジングスター賞」を受賞し、最大5つのブドウの房で表されるゴーミヨ誌の評価は、現在4つ房+。近い将来、5つ房の仲間入りを果たすかもしれません。


「ドイツのワインって甘口のベタベタしたのでしょ?」
ベッカーのワインを一口飲めば、そんな思い込みをぶち壊してくれます。 ドイツの南西部、アルザスにもほど近い「シュヴァイゲン村」のちいさな農家が、いかにして世界でも有数のピノ・ノワールの生産者となったのか。そのいわれを簡単にご紹介します。

皇帝に認められし、フリードリッヒ“ヴィルヘルム” ベッカー

その立地ゆえ、ファルツ地方は歴史上何度も戦場となりました。 それは1870年のこと。様々な国家の集合体であった当時のドイツ諸国連合とプロイセンが、ナポレオン3世率いるフランスとの戦争が起こります。(普仏戦争:1870年7月19日?1871年5月10日)


その際、プロイセンの王であったヴィルヘルム1世が、ベッカー家が所有する宿泊施設に滞在しました。 その縁で、以降ベッカー家の家督を継ぐ者は、フリードリッヒ“ヴィルヘルム” ベッカーと、ミドルネームに「ヴィルヘルム」を名乗ることが許されているといいます。

ちなみに現当主はこちらのフリードリッヒ・ベッカー氏。本名 Fritz Friedrich Wilhelm Becker 。通称「フリッツくん」 格闘技の経験もあるいいガタイをした青年で、よくしゃべるお茶目な性格です。

ドイツ?フランス? 戦争に翻弄されし複雑な畑事情

ベッカーの畑の7割以上は、実はフランスにあります。

ファルツ地方とアルザス地方は、川などの境もなく地続きなため、何度も国境線が動いています。
その結果、カマーベルクをはじめとしたいくつかの畑と、醸造所の間に国境線が引かれてしまいます。
EUになる以前は、パスポートを携帯して畑仕事をしていたといいます。


ただし、悪いことばかりではありません。
実はベッカー、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローといったボルドー系品種も少量栽培しているのですが、それらの品種がドイツで栽培を禁止されていた時代も、
「いや、この畑はフランス領だもーん」と言わんばかりに栽培を続けていたとか。

フランスでとれたブドウをドイツワインとしてリリースしているわけですが、国境線の方が動いたんだからと、ベッカーに限れば黙認状態。
「公認のグレーゾーン」というよくわからない状態だそうです。

ラベルに描かれた想い 酸っぱいブドウとキツネのお話

イソップ童話に 「すっぱいぶどう(別名:きつねとぶどう)」というお話があります。


※Wikipediaより引用

お腹を空かせた狐は、たわわに実ったおいしそうな葡萄を見つけた。食べようとして懸命に跳び上がるが、実はどれも葡萄の木の高い所にあって届かない。何度跳んでも届くことは無く、狐は、怒りと悔しさから「どうせこんな葡萄は酸っぱくてまずいだろう。誰が食べてやるものか」と負け惜しみの言葉を吐き捨てるように残して去っていった。?Wikipediaより抜粋?

ベッカー醸造所の黎明期、世の中は甘口の白ワインブーム。周りはみな甘口の白ワインばかり作っていました。

しかしブルゴーニュの特級畑クロ・ド・ヴージョと、自身のシュヴァイゲンの畑が、地質の点で似ていることに着目し、ピノ・ノワールの可能性を確信していた先代ベッカー氏。
共同組合の長の息子という立場ながら、「高品質な辛口ワインを作るんだ」と、1973年、周囲の反対を押し切って独立。

まわりから「そんな酸っぱいブドウでワインを作って、どうするんだ」と揶揄されながらも、そのピノ・ノワールでスター生産者となってしまった経緯を皮肉って、きつねとブドウをエチケットにしています。

多種多様なベッカーワインと、それを支えるブドウ栽培

ベッカーは非常に多くのワインを作っています。
ブドウの種類だけで、リースリング、ジルヴァーナー、ポルトギーザーといったドイツ系の品種から、ピノ・ノワール、シャルドネ、ゲヴェルツトラミネール、ピノ・グリ、ピノ。ムニエ、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンといったフランス系の品種。また補助品種としてオーセロワにピノ・ブランなど。新世界のワイナリー、コノスル並みの豊富さです。
ココスでご紹介できているのは、まだほんの一部分なのです。


そしてそれぞれ品質の高いワインとなる秘訣は、もちろん原料のブドウがいいから。栽培に手を抜かないから。

彼らは除草剤や化学肥料は一切使用せず、実質的にオーガニックのような栽培をしています。醸造も主に自然酵母で行い、ヴィンテージによっては自然派ワインの感じが出ることもありますが、彼らはそれを謡いません。

まるで「なにはともあれ、まずは飲んでくれ。グラスがすべてを語ってくれるから」と言わんばかりに。

目指すはDRCのような孤高の存在

ベッカー氏が敬愛し、目指しているのはDRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)。
ワイナリーを訪問すれば、DRCのボトルがいくつも飾ってあるといいます。

彼は決してDRCのような味わいのワインを作りたいのではありません。
DRCのように高級ワインだけをつくるつもりも、今のところはないようです。



DRCのような孤高の存在になりたい。

ブルゴーニュ好きの方にならわかっていただけると思いますが、多くのスター生産者がいるブルゴーニュにおいても、DRCは特別な存在です。決して替えのきかないキャラクター。DRCを飲んでいるんだという感動を与えられるブランド価値。

そんな存在。「ピノ・ノワールといえばベッカーだ」と言われるようになりたい。

新たなグラン・クリュの畑も加わって、今なお進化を続けるベッカー醸造所から、目が離せません!

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ワインスペック

生産地ドイツ > プファルツ
ワイナリーフリードリッヒ・ベッカー醸造所
原語表記Friedrich Becker Guillaume Rotwein cuvee trocken
ブドウ品種カベルネ・ソーヴィニヨン 、 ドルンフェルダー 、 ポルトギーザー
飲みごろ温度13 - 15℃
おすすめグラスボルドーグラス
ボトルサイズ750ml
栓のタイプスクリューキャップ
JANコード4260059990011
インポーターヘレンベルガー ホーフ

《このワインについて》
ファルツ南部、フランスのアルザス地方との国境付近にワイナリーを構えるベッカーは、フランス側にも畑を持っています。
かつてドイツでフランス系品種の栽培が禁止されていたころ、「うちのこの畑はフランスだからOK!」とカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローといったボルドー系品種を少量植えていたのだとか。
カベルネ・ソーヴィニヨンを主体にドルンフェルダーとポルトギーザーといったドイツ品種をブレンドしたのがこの「ギョーム」です。

ドイツワインに以前から親しまれている方にとっては、カベルネ主体の赤ワインなんて型破りに感じるでしょう。しかし地球温暖化が進む昨今、ファルツやバーデンといったドイツ南部の地方では、これまでと違ったブドウ品種の栽培が盛んです。このワインはその先駆け的な存在と言えるでしょう。

《テイスティングノート》
カベルネらしいグリーンノートがありますが、それほど強くはないため決して不快ではありません。ピノ・ノワールと比べればボディ感がありますが、ドイツ系品種の効果もあって渋味は強くなくエレガント。ブラインドで飲めば出所不明な面白いワインです。

《生産者について》
南ファルツで300年続く実家から独立し、フリードリッヒ・ベッカー醸造所を設立したのが1973年。最初の畑「カマーベルク」が、ブルゴーニュを旅行した際に見たクロ・ド・ヴージョの畑と土が似ていたことから、「ここで素晴らしいピノ・ノワールができる」と確信。ゴーミヨ誌にて2001年から2009年まで8年連続最優秀赤ワイン賞を受賞して、その実力に世界が驚きました。
設立当初はドイツで甘口ワインが大流行していたころ。「ベッカーのブドウは酸が強く、酸っぱくて不味い」と言われていましたが、そのブドウを信じて世界に認められたのです。だからこそイソップ童話の「すっぱいブドウときつね」の話を題材に、今のエチケットとなったのです。
非常に多種多様なブドウを栽培しており、つくっているワインの種類が膨大にあるのが特徴のひとつです。

Friedrich Becker Guillaume Rotwein cuvee trocken

【型破り!?でもこれが未来のドイツワイン?】 ベッカー ギョーム ロートワイン キュヴェ トロッケン 2017 or 2019

商品番号 61003794
  • 赤ワイン
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