《醸造法の違いを感じる》
マールボロのソーヴィニヨン・ブランは、基本的にはステンレスタンク発酵・熟成でつくります。ソーヴィニヨン・ブランのフレッシュなフルーツの風味は酸素接触で失われやすいため、それを強調したフルーティーなワインをつくるには、ステンレスタンクが最適なのです。
一方でその上級となるワインを樽熟成してつくる場合もあり、これもその一つ。樽香をつけることが目的ではなく、穏やかな酸化熟成のためです。そうすることで分かりやすいフルーツの香りは穏やかになりますが、複雑な風味と口当たりのなめらかさが加わり、熟成ポテンシャルを持ちます。
《テイスティングノート》
火打石のようなスモーキーな香りにグレープフルーツのニュアンス。爽やかでありながら深みのある味わいで、通常のソーヴィニヨン・ブランに比べて厚みを感じます。余韻は繊細な柑橘の風味で締めくくられます。
《生産者について》
ドッグ・ポイント・ヴィンヤードの創設者は2人。この地域のトップ生産者「クラウディ・ベイ」にて、栽培責任者を勤めたアイヴァン・サザーランド氏。それから醸造責任者を勤めたジェームス・ヒーリー氏。大手ワイナリーを卒業して自分たちのワイナリーを設立した流れです。
人口より羊の数が多いニュージーランド。羊飼いたちが飼っていた犬の一部がかつて逃げ出して野犬化したころがあったそうです。「羊が犬に襲われるから気をつけろ」という場所を「ドッグポイント」と呼んだそうです。現在は危険な野犬はいませんが、その名前を継承したとのこと。
Dog Point Section 94 Sauvignon Blanc