《このワインについて》
このワインは貴腐ではなく乾燥によって芳醇な甘口につくられます。
ブドウが熟すころ、茎をペンチでつぶして樹液の移動を止めます。ブドウの水分はどんどん蒸発して果汁が濃縮していき、糖度と酸度の値が狙った通りになるのを待って収穫します。レーズンのようになったブドウからわずかな果汁を絞るため、圧搾過程はしっかりと。フランス産・ハンガリー産のオーク樽で発酵し、そのまま熟成されます。
今回初めてNV(ノンヴィンテージ)でリリースされました。2020年を中心に、2019年、2021年をブレンドして味わいのバランスを整えています。
このNVのデータはありませんが、最新2022年VTのデータを生産者のHPで確認したところ、残糖度は約300g/L。ソーテルヌの貴腐ワインが160?200g/L程度なので、それをはるかに上回る濃密な甘みということです。口に含めば食べごろに熟したフルーツにかぶりつくような甘みが広がります。
《生産者について》
2003年設立、2007年ファーストヴィンテージとまだ若いブディック・ワイナリー。ステレンボッシュ地区自体は比較的温暖な気候なのですが、キアモントの畑については標高が350?400mの高地にあること。それから、東側にそびえる1000m級の山によって朝日が遮られることもあって、他に比べると冷涼です。結果としてキアモントのワインは、力強さとエレガンスの両方を兼ね備えるのが特徴です。
【パーカーポイント93点!】
[ワインアドヴォケイト誌 2023年8月のレビュー]
ソーヴィニヨン・ブラン62%、ルーサンヌ38%から造られるNVフルフォンテインは、ゴールデン・アプリコットと桃の皮のアロマを持つ、やや揮発性のノーズを持つ。ミディアムからフルボディのこのワインは、甘すぎず美しくバランスが取れており、蜂蜜、熟した柑橘類、砂糖漬けのマンゴーと桃の蜜のニュアンスが感じられる。口に含むと、ドライアップルとアプリコットのピュレの風味が余韻に残り、フレッシュでクリーンなフィニッシュが広がる。
[Anthony Muellerによる試飲 飲み頃予想2023-2034年]
Keermont Fleurfontein