《メルローとカベルネ・ソーヴィニヨンの比較》
ともにボルドー原産の黒ブドウ品種で、風味などの共通点も多いメルローとカベルネ・ソーヴィニヨン。ソムリエのテイスティング試験に臨む方は、ブラインドテイスティングでこの2つの判別に苦労する方も多いようです。
ワインをつくるうえでの違いを挙げるなら、カベルネ・ソーヴィニヨンの方が熟すのが遅いこと。メルローの方が早く熟すので、やや涼しい地域ではメルローの方がヴィンテージによらず安定して美味しい傾向です。同じ生産者のワインとして比べるなら、メルローの方が熟した風味を持ちタンニンは穏やか。酸味も少し控えめです。
そう、実はカベルネ・ソーヴィニヨンよりメルローの方が、ワイン初心者にとっては親しみやすい味わいの特徴を持つのです。同じ価格でワインを選ぶ際、特に低価格帯ではメルローの方が『ハズレが少ない』と言えるかもしれません。
《生産者について》
マン・ファミリー・ワインズは2001年設立とまだ若いワイナリー。創業者3人それぞれの妻である、マリー、アネット、ニッキーの頭文字をとって「MAN」と名付けられました。初年度はわずか600ケースから始まり、現在は17.5万ケースを生産するまでに拡大したといいます。
先ほど挙げた手頃で美味しいワインを生産する国。共通点は地中海性気候に属する地域があることです。ブドウ栽培に圧倒的に恵まれた気候のもと、低コストでブドウ品種の特徴がピュアに表れたワインづくりをしています。
《テイスティングノート》
プラムのようなほどよく甘い黒色ベリー系の香りに、ごくわずかにタバコなどのスモーキーなニュアンス。口に含めば柔らかい酸味にのってベリーとチョコレートのような風味が広がります。重すぎず軽すぎず、漠然とした「赤ワイン」のイメージを体現するかのような1本です。
Man Merlot Cellar Selection