《生産者について》
オーナーのイアン・シュラムは1955年、日本を訪問していたときにミツコさんと恋に落ちました。日本で翻訳会社を設立し成功を収めたのちに会社を売却。ヨーロッパに渡ってワインづくりを学び、1984年にナパ・ヴァレーにワイナリーを設立しました。
ワイナリー自体はナパ・ヴァレー北部のカリストガにありますが、妻の名前をつけた「ミツコズ・ヴィンヤード」はナパ・ヴァレー南部の冷涼なカーネロスにあります。全てのワインを450エーカーの自社畑からつくります。
《このワインについて》
凝縮感の高いシャルドネはたくさんあります。カーネロスは間違いなくシャルドネの名産地ですが、ソノマコースト内にもサンタ・バーバラなどにも高級シャルドネは見つかります。モントレーあたりならもっと手ごろにありますし、広域「カリフォルニア」表記のものでもリッチな樽香を持ち飲みごたえがあります。
2000円台でもいろいろ選択肢があるなかで、5000円を出す意味。ワインの高級感はどこに出るかというと、樽香の質ではないでしょうか。
手頃な樽熟成シャルドネは、甘いヴァニラ香が突出する傾向にあります。それに対してワンランク上のシャルドネは、ヒノキやナッツを思わせる甘いニュアンスが控えめな樽香と、しっかりと果実の香りが調和しています。その風味が骨太な酸味に支えられ、味わいを立体的に感じさせてくれます。
《テイスティングノート》
ジャスミンや洋ナシのような上品な香りを、ブリオッシュやクレーム・ブリュレのような豪華でありながら抑制された樽香が包みます。メロンやパイナップルのような凝縮感のある果実味はしっかりと樽香と結びついています。骨格のある酸味を持ち、熟成ポテンシャルを感じさせます。
Mitsuko's Vineyard Chardonnay Carneros Napa Valley Clos Pegase