《このワインについて》
正直、「どうしてもこのワインでないとダメ」というポイントはありません。スタイルとしてはよくありがちなスッキリ爽やか系です。品種や産地の個性が抑えられている、いわゆる「料理の邪魔をしにくい」味わい。
「このワインが飲みたい!」というよりは、冷蔵庫を開けて「そうそう、これが冷えてるなら今日はこれでいいや」と選ぶようなワインです。
積極的に選ぶ理由は弱くとも、消去法で選ぶ理由はあります。
グリューナーヴェルトリーナーは、リースリングよりは酸味が穏やかな品種です。夏だけでなく肌寒い季節にも無理なく楽しめるはず。ソーヴィニヨン・ブランのような強い品種の香りもないので、「相性の悪い料理」が少ない。12%と軽めのアルコールゆえに口当たり軽やかです。そしてオーストリア産グリューナー・ヴェルトリーナーの中でもかなり安価な部類です。
替えがないわけじゃないけど、ピッタリ似た味わいを選ぶのは実は結構難しい。だから「これでいいや」と冷蔵庫に冷やしておきたくなります。
《生産者について》
グリューバーは、ニーダーエスタライヒ州のワイン産地で国際的認知も高いヴァインフィアテル地区におけるパイオニア的存在で、ローシッツで1814年より農業を営み、1950年代に本格的にブドウ栽培とワイン醸造をスタートさせた家族経営のワイナリーです。2001年よりグリューバー家の長男エワルドがワイン醸造責任者として引き継いだ後、妹マリアと弟クリスチャンが参画し、現在は3名が協力しオーガニック認証を受けた自然環境に優しい、フルーティでエレガントなワイン造りを実践しています。
《テイスティングノート》
「ペップ」とは「キュートな」という意味で、生産者の中で味も価格も「キュートな」親しみやすいワイン。かんきつ系の控えめな香りにスムースで瑞々しい口当たり。フレッシュ感を味わうワインです。
Green Pepp Gruner Veltliner