《生産者について》
先住民族マオリの言葉で「新しい始まり」「夜明けの空」を意味するアタ・ランギ。1980年設立のワイナリーで、国内外で数多く受賞経験があります。NZ国内では古い歴史をもつワイナリーの1つで、マーティンボロのパイオニアとしても広く知られています。
彼らがつくるピノ・ノワールは「ニュージーランドのロマネ・コンティ」と呼ばれる所以。もちろん高品質であることは前提です。最大の理由は「エイベル・クローン」。NZの税関職員をしつつ自分のブドウ畑を持っていたマルコム・エイベル氏。あるとき旅行者がロマネ・コンティの穂木を違法に持ち込もうとしていたのを没収。検疫所で検査したのち持ち帰って増やしたのがエイベル・クローンです。アタ・ランギのピノ・ノワールの多くがこのエイベル・クローンを使用していることが所以なのです。
《このワインについて》
このワインがつくられる畑は自社畑とリース契約の畑55haとなかなか広いのですが、生産量は多くありません。一つは樹齢の高い区画のものだけを使用し、他のブドウは「クリムゾン」など下のクラスに回すから。もう一つはこの辺りは春先の開花の時期に海から強い風が吹き込み、受粉が難しく自然と生産量が減るからです。
ラベル表記はないものの、NZのオーガニック認証である「BioGro」を取得しています。
《テイスティングノート》
よく熟したプラムやエキゾチックなスパイス、甘草などの複雑なアロマ。口に含んだ時にまず感じるのは、力強くしなやかな味わいで、きめ細やかなタンニンが優雅さを演出します。
このワイン、30代くらいの方が新たな挑戦をする際のお祝い、プレゼントにいかがでしょうか。
「アタ・ランギ」の名前の由来やパイオニアという地位。そして力強くしなやかな味わい。なかなか高価なワインにも関わらずスクリューキャップ。挑戦的で革新的なこのワインが、相手の方を勇気づける最高の餞(はなむけ)となるでしょう。
Ata Rangi Pinot Noir