《生産者について》
数百年前から続く歴史あるワイナリーの利点はたくさんあります。
一方で歴史の浅いワイナリーにも良いところはあります。その一つはワイナリー設計の段階で最新の栽培学・醸造学を取り入れることができる点です。
マルコとエルスベス・ケラー夫妻が2003年にモンタルチーノにあるこの200haの敷地を手に入れてから、数年がかりで入念な土壌の調査を行います。この土地のブドウであるサンジョヴェーゼに限らず、最適な土地に最適な品種を植えることを優先したのです。
そうして選んだ畑「パッリーナ」は、敷地内のわずか10ha。そこは有名なスーパータスカン「ルーチェ」の南隣という立地でした。
サンジョヴェーゼ・グロッソを育てて「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」をつくれば、ある程度の価格で売れるワインがつくれることは約束されていました。しかしその選択はしませんでした。規定に縛られることなくこの素晴らしい土地の個性をワインに表現する。それだけを追求したワインづくりを実践しています。
栽培品種は主にパワフルなタンニンを持つブドウ品種。その味わいを存分に楽しめるようにという意図でしょう。熟成リリースを行っていることを考えるとコストパフォーマンスはかなり高いと言えます。
《このワインについて》
ワイナリーの名前を冠した看板ワイン。この価格帯のトスカーナワインとして流通する一般的なワインと比べると+5年ほど熟成しているため、香りの調和とこなれたタンニンが魅力的です。
ブラックチェリーやスパイスのような濃厚な香りに、皮革のようなほのかな熟成香も混ざります。新樽を使った熟成をしていますが、その香りは果実味によく調和しています。こなれたタンニンのなめらかで厚みのある口当たり。余韻の香りはよく広がります。
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