《カベルネと同価格だからこそ飲む価値あり!?》
ナパ・ヴァレーではカベルネ・ソーヴィニヨンとジンファンデルの平均ブドウ取引価格は大きく違います。とあるデータでは2倍弱。
他の地域の価格データは入手できませんが、やはりワインの人気度合いから価格差はあるものと思われます。それゆえ購入したブドウでワインをつくる生産者の場合、カベルネ・ソーヴィニヨンの価格が高いところが多いです。
一方でこのケンウッド・ヴィンヤーズでは、ジンファンデルも価格同じ。自社畑で同じ手間をかけてつくるワインなら価格も同じという理屈もわかりますが、なかなか強気な価格設定です。
だからこそ飲む価値があります。
ジンファンデルに求められがちな「手ごろなのに凝縮感があって濃く、渋みが穏やかで親しみやすい」。そのイメージとは少し違って、酸味もタンニンも程よく感じる、ワインとしてワンランク完成度の高いジンファンデル。それはこのソノマ・マウンテンの土地だからこそです。
《生産者について》
ソノマ・ヴァレーの北側に「ケンウッド地区」というものがあり、その地を語源として1970年に設立されました。特に「ジャック・ロンドン・ランチ」という単一畑に誇りを持っており、小ロットの醸造によってこの地の特徴をあますところなく表現しています。
ソノマ・マウンテンは広いソノマ・カウンティの中で、ナパとソノマを隔てるマヤカマス山脈近く、比較的南寄りにあります。「ソノマだから冷涼」とは決して言えませんが、ナパ・ヴァレーに比べたら海への近さから確かに冷涼。ブドウはしっかりと熟しながらも、その味わいを支える酸味と味わいの骨格があるのが特徴です。
《テイスティングノート》
熟したベリーや乾燥したブルーベリーなどの黒いフルーツの熟したアロマ。そこにシナモンのような甘いスパイスと、ローズマリーなどのハーブ感が加わります。2000円のジンファンデルと比べると、香りの複雑さが違います。よく熟した果実味を豊かなタンニンとエレガントな酸味が調和しており、飲み飽きせず最後まで楽しめるでしょう。
Jack London Sonoma Mountain Zinfandel Kenwood Estate