《ワインの酸度について》
ワインの酸味の強さを一概に数値で表すことはできませんが、重要な指標となるのが「総酸度」です。ワイン1L中に含まれている酸性成分の量がすべて酒石酸であったと仮定したときの含有量をグラムで表します。「7g/L」のようなものが総酸度です。
総酸度は基本的に白ワインの方が高く、赤ワインで4.5~6g/L 程度、白ワインで5.5~7.5g/L程度でしょう。7g/Lを超えるとほぼ「酸味の高いワイン」と言っていいです。
その酸味が果実味などとバランスがとれているのが大事。しかし「バランス感」とは人それぞれなもの。バランスポイントがかなり酸味寄りである人のことを、俗に「酸味族」と呼ぶことがあります。
ドクター・ワグナーの現当主クリスティーネ・ワグナー氏もまた酸味族なのでしょう。彼女は「酸は8-9g/Lがベスト」と述べます。モーゼルの中でも特に冷涼なザールらしいワインが、彼女の考える美味しいワインです。
酸味族の方の「これくらい酸で引き締まっててほしい!」という要求に、ワグナーのワインはきっと応えてくれるでしょう。
《生産者について》
ドクター・ワグナー醸造所は1880年に設立。5世代にわたってザールの地でワインをつくってきました。
モーゼル川に流れ込むザール川流域に畑を持っており、その土壌はデヴォン期の青色粘板岩。その土壌がモーゼル川流域よりも酸が細かく繊細でエレガントなワインをつくります。
《このワインについて》
レモンやライムなどの引き締まった柑橘の香りに交じって、畑のスレート土壌を思わせるような土の香りが漂います。口に含めばスムースな果実味とともにフレッシュな酸味が広がり、高い酸味がしっかりと舌の横側を刺激します。酸っぱいワイン好きをしっかり満足させてくれるワインです。
Dr. Wagner Riesling Trocken