《生産者について》
モーゼル地方の著名な畑の一つ、「ユルツィガー・ヴュルツガルテン」。その畑を専門にするといっていい生産者がカール・エルベス。5.9haを所有しています。
ここが銘醸畑とされる理由の一つは斜度。南東向きの急斜面はもはや崖のようで、農作業は非常に困難ですがブドウは非常によく熟します。もう一つは赤色粘板岩土壌。青や灰色の粘板岩はモーゼルに広く見られますが、この畑の赤い土壌はなかなかありません。その土壌ゆえに香りが華やかなリースリングができあがり、それがそのまま生産者の特徴となっています。
カール・エルベスのワインはモーゼルの生産者の中で比較したとき、酸味がやや丸く穏やか。香りが比較的派手で豊かに広がります。そしてこの銘醸畑のワインとして圧倒的に安い!
《このワインについて》
ドイツのワイン法では収穫したブドウの糖度でクラスが変わります。「カビネット」「シュペトレーゼ」などがその等級名で、このワインはそれより糖度の低い「クヴァリテーツヴァイン」です。ただしこれはカール・エルベスのラインナップの中で低級の位置づけが必要だったため。ブドウの糖度自体はシュペトレーゼで、あえて格下げをしているのです。
ちょっとややこしいですが、要するに「値段の割に濃密な甘さでお得」ということです。
火打石やアプリコット、スパイスのような華やかなアロマ。口に含めば瑞々しい甘みが広がり、軽い口当たりでスッキリと消えていきます。
「甘い」と書かれているワインをとかく敬遠される方もいらっしゃいます。でもこのワイン、試飲販売すれば爆発的に売れるそうです。一口目から直観的に「美味しさ」を訴えかけてくるのでしょう。
Urziger Wurzgarten Riesling Karl Erbes