《生産者について》
数多あるシャンパンの中でもトップクラスの知名度を誇るルイ・ロデレール社。「クリスタル」で有名であり、シャンパーニュ地方以外でも様々なワイナリーを傘下に収めて経営しています。
そのロデレール社が1982年に設立したのがロデレール・エステートです。ワイナリーのあるアンダーソン・ヴァレーは、カリフォルニア北部のノースコースト、その北西側に位置します。海から非常に近いため冷たい風が吹き込み、酸味を蓄えたブドウを収穫できるため、スパークリングワインの産地として地位を築いています。
そこにロデレール・エステートは500エーカーの自社畑を所有。熟練の栽培スタッフが管理する自社畑のブドウのみからスパークリングワインをつくるというのは、カリフォルニアでは非常に珍しいことです。
《このワインについて》
ピノ・ノワールとシャルドネをほぼ半々にブレンドしてつくるこのワインは、ヴィンテージ表記がありながらリザーヴワイン(過去のヴィンテージのワイン)を4%ほど加えており、それが味わいの深みにつながっています。(85%以上単一ヴィンテージのブドウを使えばヴィンテージ表記できるルールです)シャンパーニュではヴィンテージ表記をするにはリザーヴワインは使えないので、これはアメリカのロデレール・エスエートだからこそ。ブレンドが伝統であるシャンパーニュに倣ったといえるでしょう。
ベースワインはフレンチオークで熟成されており、これはシャンパーニュのルイ・ロデレールらしいやり方。味わいに複雑さと厚みが表現されています。
《テイスティングノート》
長期の熟成がもたらすトーストやブリオッシュのアロマが優しく立ち昇り、アプリコットやリンゴなどの果実がふわりと香ります。クリーミーで柔らかな泡感は極めて上質で、同価格帯のシャンパンに決して負けないほど。美しい酸味の高さはシャンパンより穏やかかもしれませんが、ミネラル感は共通点があります。
十分シャンパンの代わりとなり得るクオリティーと言えるでしょう。
L’Ermitage Brut Roederer Estate