《生産者について》
師匠はコシュ・デュリ。
パスカル・クレマンはブドウ栽培家の家系出身。畑は相続せず2011年に自身のネゴシアンを設立しました。その経歴のスタートであり「醸造家として僕のすべては、彼から学びました」と語るのが、「白ワインの神」と呼ばれたジャン・フランソワ・コシュです。
それゆえでしょうか。ワインのスタイルはやはりコシュ・デュリを彷彿させます。
磨き抜かれた水晶のように鋭角で透明感のある酸味。還元的でフルーツをあまり感じない方向性は、ピエール・イヴ・コラン・モレにも共通するところがあると感じます。パリっとした緊張感のある味わいは、猛暑のヴィンテージがつづくここ数年のブルゴーニュにあって特異な存在。
かつての緊張感のあるブルゴーニュのシャルドネ、アルコールの高さを感じない引き締まった味わいが恋しい方にとって、有望な選択肢といえるでしょう。他のワインと同様に価格は上昇傾向ですが、それでも法外な値段ではありませんし、コシュ・デュリやピエール・イヴ・コラン・モレに比べると入手性が高く、「美味しかったから他のワインも飲んでみよう」というのも現実的です。
《このワインについて》
パスカル・クレマンのラインナップとしては、ブルゴーニュ・ブランに続いて手ごろなキュヴェ。この生産者の入り口としては適したワインと言えるでしょう。
その意図もあってか輸入元様の試飲会では毎回のように出品されており、今回の仕入れまでに複数ヴィンテージにわたり少なくとも5回は試飲しましたが、毎回高品質でした。
畑の平均樹齢は約40年。新樽比率20%で醸造されていますが、それほど強く樽香は感じません。
Pernand Velgelesses Les Combottes Blanc Pascal Clement