《生産者について》
モンターニュ・ド・ランスのグラン・クリュ格付けの村「ブジー」「アンボネイ」のブドウを中心にワインづくりを行うメゾンが、アンドレ・クルエです。
先祖がかつてルイ16世やナポレオンの側近だったそうで、譲り受けた領地でブドウ栽培やワインづくりをスタートしました。アンドレ・クルエ氏の代からシャンパンづくりを開始。現当主ジャン・フランソワ氏は孫にあたります。
アンドレ・クルエは結構な数のキュヴェをつくっていますが、色が変わるだけでエチケットデザインは共通です。これには理由があります。かつてボランジェから「エチケットが似ているからデザインを変えろ」と要求されたそうです。「いやいや、うちは少なくとも1911年からこのデザインだから」と回答すると、「じゃあもうデザイン変えるなよ!」と無茶な要求。若き日のジャン・フランソワがそれを飲んでしまったため、今でも「Grand Cru」の表記ができないといいます。
《このワインについて》
ラインナップの看板商品は「グランド・レゼルヴ・ブリュット」ではありますが、体感的に一番人気なのがこの「シルヴァー・ブリュット・ナチュレ」。その名の通りドサージュを加えない極辛口のシャンパン、ピノ・ノワール100%でつくるブラン・ド・ノワールです。
栽培条件に優れたグラン・クリュのブドウをやや遅摘みで使っているだけあり、ドサージュなしですがやせ細った印象は全く受けません。ピュアな果実の風味を感じる柔らかい口当たりで、時間をかけて飲んで温度が上がり泡が抜けてもバランスが崩れません。最後まで優雅な雰囲気を楽しめるので、すぐにまた飲みたくなります。シャンパン通の方なら、大手メゾンのスタンダードクラスとは一段異なるブドウの質を感じて頂けるでしょう。
Andre Clouet Silver Brut Nature